フルハイビジョン以上の画質がiPadの画面に
アップルが、驚くべき製品を発表した。見た目は「iPad 2」と、そして名前は初代iPadと同じ「新しいiPad」だ。この製品は果たして本当に新しいのか? テーブルの上にこれがポツンと置かれていても、ほとんどの人はこれが新しいiPadだとは気がつかないだろう。
だが、このiPadを手に取って、目の前のきれいな風景を写真に撮ったり、友達を動画で撮影したり、1080p画質の映画を見た瞬間、これまでとは明らかに違う感覚に襲われる。
それもそのはずで、一見何も変わらないように見える新iPadの9.7型ディスプレーには、これまでのiPad 2のディスプレー4つ分のドットが凝縮されている。
2048×1536ドットという画素数は、1920×1080ドットのフルハイビジョンと呼ばれる最高品質のハイビジョンテレビよりも100万画素も多い。
フルハイビジョン映像といえば、ほとんどの人は40型や50型のテレビで楽しんでいるもので、そもそも20型以下のフルハイビジョンディスプレーはほとんど見かけない(安価な小型デジタルテレビは、解像度を落としている)。
これに対して、iPadはわずか9.7型のサイズにフルハイビジョン以上の画素を盛り込んでいるのだ。これはつまり、iPadの上に映し出される映像が、ほとんどの人にとって未体験の映像だということだ。
iPadで画面をキャプチャーすると、筆者の15型のMacBook Proで表示しても、画面のほんの一部しか表示できない。実際、iPadの画面解像度は17型のMacBook Proや21.5型のiMacよりも高い。27型ワイド液晶のiMacやApple Thunderbolt Displayで、ようやく水平解像度はiPadを上回るが、垂直解像度では、まだ100ドットほど足りていない。それくらい異常な解像度なのだ。
iPadの新ディスプレーに最適化されたゲームをプレイするということは、大画面ハイビジョンテレビにつないだPlayStation 3やXbox 360よりもはるかに解像感の高いゲームを手に抱えた9.4mmの板に映し出しているということだ。
フルハイビジョンテレビをしても伝えきれない高解像度、それを至近距離で両手で抱えられる、という新体験、これが我々にどんな違いをもたらすのか?