Sandy Bridge搭載で性能も飛躍
USB 3.0も標準装備
前述のように、新SHシリーズはCPUにSandy Bridgeを採用した新しいプラットフォームを採用することで、大きな性能向上を果たした。メインマシンとして使える性能・機能を備えるハイスペックなモバイルノートとしては、この性能向上は重要な訴求点となる。
今回試用しているSH76/Cは、CPUにCore i5-2520M(2.50GHz)を搭載している。下位機種のSH53/Cは、前述のとおり第1世代CoreプロセッサーであるCore i3-380M(2.53GHz)を搭載する。上位と下位では無視できない程度の性能差がありそうだ。
ちなみに、富士通の直販サイト「富士通 WEB MART」では、注文時にコンポーネントを選択可能な「カスタムメイドモデル」が販売されている。カスタムメイドモデルでは、CPUにCore i7-2620M(2.70GHz)が選択可能だ。ただし、Core i7でも動作周波数が200MHz上がり、3次キャッシュ(LLC)が3MBから4MBに増える程度なので、店頭販売モデルが性能面で大きく劣るという心配はない。
グラフィックス機能としては、Core i5の内蔵グラフィックス「Intel HD Graphics 3000」を使用する。インテルCPUやチップセットの内蔵グラフィックスといえば、最低限度の性能しか備えていないものだったが、第2世代Coreプロセッサーではグラフィックス性能の改善が特徴のひとつなので、この点でも多少期待できる。
ストレージには640GB HDD(5400rpm)を内蔵するほか、光学ドライブとしてDVDスーパーマルチドライブを内蔵する。光学ドライブは取り外し可能な「モバイル・マルチベイ」に装着されており、ドライブを外して約1.52kgに軽量化したり、付属の「増設用バッテリ」と交換も可能だ。増設用バッテリを搭載した場合の最大バッテリー駆動時間は、約14.6時間とのこと。バッテリーの最大充電量を満充電の80%に留めることで、バッテリー自体の寿命を伸ばす機能も備えている。
インターフェース面では、標準でUSB 3.0対応ポートをひとつ装備したのが特筆すべき点であろう。USB 3.0ホストコントローラーにはルネサス エレクトロニクス製チップを使用する。IEEE 1394やeSATAポートは搭載しない。無線通信機能はIEEE 802.11b/g/nに加えて、WiMAXにも対応するインテル製無線LANモジュールを内蔵している。
それでは性能面をチェックしていこう。比較対象として、ほぼ1年前の2010年春モデル新製品だったNECの「LL750/WG6」(Core i5-430M 2.26GHz)の値も参照している。
まずWindows 7のWindowsエクスペリエンスインデックスを見てみよう。最低値はグラフィックスの「5.7」。LL750では「4.7」であったことを考えると、なかなかの健闘と言えそうだ。ゲーム用グラフィックスの「6.3」は、DirectX 10対応GPUのエントリークラスを上回る程度の性能となる。さらにCPU性能を示す「プロセッサ」の値は「7.1」で、Windows 7での上限値である7.9に近い性能を見せている。
次に、総合ベンチマークプログラム「PCMark Vantage」のスコアを、LL750の結果と比較してみた。結果は以下のとおりで、総合値「PCMark」で約1.5倍もの性能差を見せている。「Communication」の項目で2倍以上の差があるのは、LL750のCPUが対応していなかった暗号処理などに使われる命令セット「AES-NI」に、SH76/CのCPUが対応しているためと推測される。これは第1世代Coreプロセッサー同士の比較でも見られた傾向だ。
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