製品出荷前に発覚したIntel 6シリーズチップセットの障害問題により、発売の遅れていた「Sandy Bridge」こと第2世代Coreプロセッサー搭載ノートパソコンが、店頭に並ぶようになってきた。
今回評価する富士通の「LIFEBOOK SH76/C」も、2月末にようやく出荷され始めた最新のSandy Bridge搭載モバイルノートである。メインマシンとしての利用にも適したサイズと性能を備えるノートパソコンの、実力を見てみよう。
モバイルワーカーに適度なサイズと
広いキーボード&スクロールパッド
LIFEBOOK SHシリーズは、同社のノートパソコンが「FMV-BIBLO」と名乗っていた頃には「MG」シリーズと呼ばれていた、高めのスペックとモバイルとしては広めの液晶ディスプレーを備えたシリーズの後継である。Sandy Bridge搭載モデルとしては最初の世代であるが、下位機種には第1世代のCoreプロセッサーを搭載した「SH53/C」もラインナップされている。
まずディスプレーから見ていこう。ディスプレーには13.3型ワイドサイズで、解像度1366×768ドットのLEDバックライト式液晶ディスプレーを搭載している。解像度はありふれたものだが、ネットブックや低価格モバイルノートで主流の10~11型級よりも2インチ程度広いので、目が疲れにくいほどよい広さを確保している。
13型級のモバイルノートはキーボードサイズがデスクトップ並みで、快適な入力が可能な点もヘビーなモバイルワーカーに適している。SH76/Cのキーボードも同様で、キーピッチは約19mmと使いやすいサイズを実現している。
キー形状は流行のアイソレーションタイプではなく、スタンダードな形状のキーを採用している。アイソレーションタイプを好まない人は今でも少なくないが、SH76/Cは違和感なく受け入れられるだろう。ただ、タイプしているとキーのぐらつきを感じることが多く、タイプの感触があまりよくないのはもったいない点だ。
SHシリーズの特徴のひとつが、タッチパッドの右横に設けられた円形の「スクロールパッド」だ。タッチパッドの右端を上下になぞることで、ウインドウの上下スクロール操作を可能としたノートパソコンは多いが、パッドサイズが小さめのモバイルノートでは、こうした機能はあまり使いやすいとは言えない。
それに対してスクロールパッドでは、円形の窪みに指を当ててくるくると回すと、フォーカスが当たっているウインドウが上下にスクロールする仕組みとなっている。操作感が自然な点と、スクロール速度が速くて迅速に目当ての部分を表示できるので、意外な使いやすさを実現している。さすがに「これひとつで買う」という機能ではないが、使いやすさを高めるいい工夫だ。
本体サイズは幅321×奥行き228.5×高さ24.2~32.3mm。質量は約1.66kg。13型クラスとしては平均的なサイズと重さになっている。バッテリー性能については後述するが、公称最大11時間という駆動時間を考えると、むしろ軽いと言ってもいいくらいだ。
特に美しさやかっこよさを追求したデザインではないが、どこで使っても悪目立ちしないので、ビジネスユースではむしろありがたいかもしれない。
この連載の記事
-
第133回
PC
Skyrimも快適? GeForce内蔵Ultrabook ASUSTeK UX32VD -
第132回
PC
写真やゲームをより美しく見せるナナオの液晶 FS2333 -
第131回
PC
デジカメとスマホを手軽に連携する無線LAN SDカード FlashAir -
第130回
PC
無線とタッチで使い勝手が進化したペンタブレット Intuos5 -
第130回
PC
スレートPCをCore i7で蘇らせたオンキヨー TW3A-A31 -
第129回
PC
店頭モデルも4コアCPUに パワーアップしたLets'note B10 -
第129回
PC
小型でも強力GPU搭載のゲームPC Alienware X51を検証 -
第129回
PC
Ultrabookと一緒に持ち歩きたい 超小型マウス「Cube」 -
第129回
PC
14型のUltrabookはアリか? デザイン重視のENVY 14 SPECTRE -
第128回
PC
WiMAXモバイルルーターの決定版!? Aterm WM3600Rを試す -
第127回
デジタル
高速SSDで起動・復帰が速いUltrabook Aspire S3-951 - この連載の一覧へ