行きたい大学がなかったからバークリー
―― それ以外は何をコピーしました?
[TEST] 高校を卒業すると同時にフュージョンですね。T-SQUAREやカシオペアのようなジャパニーズフュージョンに始まり、ラリー・カールトンやリー・リトナーのようなアメリカのフュージョンに傾いて。フュージョンはいろんな音楽の要素が入っているので、ボサノバやサンバ、ワールドミュージック、そしてだんだんジャズの世界に入っていくんですね。
―― そこら辺からバークリーが視野に入ってくるわけですね。高校から留学の間はどうしていました?
[TEST] 日本の大学へ行くつもりだったんです。もともと高校も大学が付いているし、そのままエスカレーターで上がればいいやと考えて選んだんですが、僕は好きなことしかできないし、他のことはサボっちゃうので。それで真剣にガイダンスも受けて、どこの学部に入りたいかを考えた結果、「ない」という結論に。
―― うん、正しい。
[TEST] このまま入ってもすぐに辞めちゃうなと思ったんですね。じゃあ自分の勉強したいことをすればいいじゃないか、と。そして専門学校に一年間行って。僕は実家が大阪なんですけど、大阪芸大の子たちとバンドをやったりして、その関係で音楽の仕事をしていたんですね。バックバンドに入ったりとか。ただ、大阪の中にいると、ある程度みんな顔見知りになってきちゃうんです。別のジャズの現場に行くと「またお前か!」みたいな。
―― じゃあ当時から地元では有名だったんですね。それではあかんと。
[TEST] 僕は正直言ってジャズだけをやりたいわけじゃない。他の音楽も沢山やりたい。じゃあ一回外に出て勉強してみようということになったんですね。行くことによって何か変わることもあるはずだし。
―― 結果どうでした?
[TEST] 音楽的知識が深くなったのはもちろんなんですが、世界の人々ってこんな考え方をしているんだなと。自分のやりたいことが固まってくると、他のことを認められなくる人っていると思うんです。でも、そういうことはなくなりました。この人のこういうところは嫌いかもしれないけど、それも含めて存在しているという事実を受け入れた上でどう付き合って行こうかと。だから一番良かったのは人格形成かもしれないですね。
(次のページに続く)
この連載の記事
-
第164回
トピックス
より真空管らしい音になるーーNutubeの特性と開発者の制御に迫る -
第163回
トピックス
超小型ヘッドアンプ「MV50」のCLEANは21世紀の再発明だった -
第162回
トピックス
欲しい音を出すため――極小ヘッドアンプ「MV50」音色設定に見る秘密 -
第161回
トピックス
最大出力50Wのヘッドアンプ「MV50」は自宅やバンドで使えるのか? -
第160回
トピックス
新型真空管「Nutube」搭載ヘッドアンプのサウンドはなにが違う? -
第159回
トピックス
開発で大喧嘩、新型真空管「Nutube」搭載超小型ヘッドアンプ「MV50」のこだわりを聞く -
第158回
トピックス
唯一無二の音、日本人製作家の最高ギターを販売店はどう見る? -
第157回
トピックス
「レッド・スペシャルにないものを」日本人製作家が作った最高のギター -
第156回
トピックス
QUEENブライアン・メイのギターを日本人製作家が作るまで -
第155回
トピックス
QUEENブライアン・メイのギターは常識破りの連続だった -
第154回
トピックス
てあしくちびるは日本の音楽シーンを打破する先端的ポップだ - この連載の一覧へ