無線LAN機能やルーター機能に大差なし
通常これらのWiMAXルーターは、初回接続時にWiMAXポータルにつながり、そこで機器固有のID(MACアドレス)をサービス提供側に送信するとともに課金契約を結び、その後インターネットへ接続する手順をとる。ただしビックカメラのURoad-9000は、同社が提供する「BIC WiMAX SERVICE」専用の製品であり、他社のWiMAXサービスは選べない。なお今回は2製品とも評価機であったため、すでにWiMAXサービスの選択および契約を済ませた状態での試用となった。
初回接続・設定の方法は、両機種ともいくつか用意されている。本体底面に記されている工場出荷時の無線LAN設定値を入力して無線LAN接続を確立する方法のほかに、無線LAN初期設定用の自動プロトコル(かんたん無線LANやWPS)を使う方法、付属のUSBケーブルでパソコンと接続して添付ソフトを使う方法などだ。その後の設定は、一般的な無線LANルーターの設定とそれほど変わらない。
モバイルルーター特有なのは、やはり電源管理設定が充実していることだろう。両機種とも電源オフの状態からシステムが起動して、インターネット接続が可能になるまでおよそ1分かかる。いちいち電源を切っていると使うときに面倒なので、点けっぱなしで使いたくなるはずだ。そのため、無通信時にはWiMAX通信ユニットへの電力供給をカットするといった、省電力機能が充実しているわけだ。
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Aterm WM3500RとURoad-9000には、ルーターとしての若干の機能差とバッテリーでの連続使用時間に違いがある。モバイルニーズでの使い勝手に大きな違いはないため、どちらを選ぶかには悩みそうだ。
Uroad-9000の端末価格はBIC WiMAX SERVICE加入時のサービス種別で異なるが、高くても1万6800円(BIC定額Wダブル加入時)、最安値では6800円(BIC定額年間パスポート加入時)となっている。かたやAterm WM3500Rの本体価格は、実売価格で1万7000円前後。Aterm WM3500Rには大手プロバイダなどが提供する各種WiMAXサービスを選べる利点はあるが、サービスの利用料金はほぼ同じだ。
自社サーバーへのログインなどビジネス利用を考えるなら、IEEE 802.1X認証をサポートするUroad-9000が望ましいが、パーソナルユースならどちらも大差ないので、見た目で選ぶのもいいだろう。
筆者紹介─池田圭一
月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。
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