角川グループホールディングスとSNSのグリーは24日、両社の業務提携を発表した。GREE上で使える電子書籍アプリや関連アプリを、今夏をめどにリリースする。
この提携により、電子書籍プラットフォーム「BOOK☆WALKER」(ブックウォーカー)で角川グループが販売する電子書籍を、GREE上の「ソーシャル電子書籍アプリ」で買えるようにする。
「書評を書く」「本棚に並べる」「友だちに電子書籍をプレゼントする」といったSNS上のアクションを通じ、電子書籍をキーにコミュニケーションをとるソーシャル機能が特徴。
また、「涼宮ハルヒの憂鬱」「GOSICK -ゴシック-」といった人気作のソーシャルアプリ(ゲーム)も近日リリースする。電子書籍版GOSICKを購入するとソーシャルアプリ版「GOSICK」で特別なアイテムがもらえるなど、連動した展開も考えている。書店で売る書籍のオビにQRコードを付けてアプリと連携するキャンペーンも実施予定だ。
今回の提携の意義について、角川グループホールディングスの会長・角川歴彦氏は「今の結論としては(Web上にある様々な電子書籍販売先の)どこにでも顔を出すわけではなく、きちんと会員を持ったSNSの中に位置付けしてもらうことが画期的だ」と話した。
角川氏はケータイ小説ブームを生んだ「魔法のiらんど」(現在はアスキー・メディアワークスに合併)を例に、Webサービス上で一定のコンテンツを展開することの重要性を指摘。約2000万人の会員を持つGREEに直接リーチすることで、「日本ならではの電子書籍の展開ができるのではないか」とした。
なお角川グループは昨年10月、ニコニコ動画を運営するドワンゴとも電子書籍事業で提携している(関連記事)。ニコニコ動画の会員数は、こちらも約2000万人。