ベンチマーク結果は低いが動作は快適
本体性能についても見ていきたい。まず、ベンチマーク計測をするためにWindows 7 Ultimate 32bit版をインストールし、各種ドライバーをインストールした。そして「CrystalMark 2009R3」にてベンチマークテストを行なっている。
CPUがCeleron 430(1.8GHz)で、メモリーも1GBなのでそれほど高い数値とは言えない。しかし、OSやブラウザーの挙動がもたつくことはなく、OpenOfficeを用いた文書作成も軽快に行えた。
またベンチマークテスト中の高負荷状態でもほぼ無音状態で、机の上に置いていても動作音が気になることはなかった。
一般的に騒音の中心となるのはCPUファンだが、Endeavor LX9000の内部を見てみると、CPUには8cm径のファンを搭載した大型ヒートシンクが装着されている。小型ファンに比べ、大型のものはCPUの温度上昇による回転数の変化が少なく、静音化に貢献していると考えられる。
なお、拡張インターフェースとしては、PCI Express x16が1スロット、PCIが3スロット用意されている。PCI Express x16は198mmまでの拡張カードの装着に対応し、PCIは312mmまでの拡張カードを装着可能だ。
クラウド化に備えてLinuxという選択肢を意識する
今回試用してみた限りでは、PCの利用用途がインターネットでの調べ物やメールのやりとり、簡単なドキュメントの作成といった用途であればスペック的には十分という印象で、動作がもたつくなどの処理能力不足を感じることはなかった。
価格面では、本製品のベースモデルとなっているEndeavor MT9000が、今回試用したEndeavor LX9000と同じハードウェア構成ながら、プラス3150円の5万2500円で購入できる。数百台規模での導入ならともかく、中小企業での導入となると、導入時点での価格面のアドバンテージは高いとは言えない。しかし、新OSが発表されるたびにライセンスを購入する必要がないのが無料OSの強みのひとつなので、長期的に見れば価格の差は顕著になる。
Windows OSを狙ったウイルスが台頭する昨今、そのウイルスの影響を受けないというのも、Linux OSの有利な点だ。
そして何より、GmailやGoogleドキュメント、2011年中にサービスインを予定している「Microsoft Office 365」(関連記事)など、メールやオフィスソフトはクラウドに移行しつつあり、プラットフォームやOSに依存しないビジネス環境が整いつつあるのも事実だ。そのため、自社のビジネス環境に特定のOSが必要なのかを考え、運用していくことも必要になってくる。クラウド化の時代だからこそ、Linux搭載PCを導入するという選択肢を用意しておくことも重要に思える。
今回試用した「Endeavor LX9000」の主なスペック | |
---|---|
CPU | Celeron 430(1.8GHz) |
メモリー | 1GB |
グラフィックス | チップセット内蔵(G41) |
ストレージ | HDD 250GB |
インターフェース | USB2.0×8、1000BASE-T、アナログRGB出力など |
サイズ | 幅170×高さ362×奥行き403mm |
重量 | 約7.6kg |
OS | Turbolinux Client 2008 Basic |
直販価格 | 4万9350円 |
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