このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

週刊 PC&周辺機器レビュー 第76回

ビートあふれる大型ノート HP ENVY14 Beats Edition

2010年10月15日 12時00分更新

文● 池田圭一

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 近年のパソコン業界は、「過剰なレギュレーションが敷かれたモータースポーツ」のようなものだ。プラットフォームが決まっているのだから、性能を追うだけなら横並びになり個性を失ってしまう。しかし、明確なコンセプトを打ち出し、その目標に正しく進化するなら突破口が開く。

 日本HPのノートパソコン「HP ENVY14 Beats Edition」(以下ENVY14)は、まさにソレである。「Beats Audioシグネチャーモデル」を標榜する製品が、何をどこまで追求したのかを探ってみる。

HP ENVY14 Beats Edition

「HP ENVY14 Beats Edition」。黒とシルバーを基調とするカラーリングでまとめられ、全体的に落ち着いた印象だ

単なる14型ワイドノートではない!

 始めに「Beats Audio」について簡単に触れておこう。残念ながら筆者はそちら方面には疎いのだが、ヒップホップ・ミュージック界のトップアーティスト「Dr. Dre」(ドクター・ドレー)によるオーディオブランドが、Beats Audioだという。

 HPの大型ノート「HP Pavilion Notebook PC dv7」でも、前面ステレオスピーカーやディスプレー左下に、Beats Audioのロゴやマーク(アルファベットの小文字Bを意匠化したもの)が小さく記されていたが、今回のENVY14では「B」のロゴが天板中央に大きく目立つように記された。本製品において最重要視しているのがオーディオ(サウンド)という証なのだろう。

 そのコンセプトは、パッケージから徹底されている。外箱を開けると、本体カラーと同色の上質な化粧箱が現われる。期待を抱きながら蓋を開けると、さらに中からソフトケースに入れられたENVY14本体が登場。マニュアル類なども電子化してSDメモリーカードに収めたものを添付するなど、心憎い演出がなされている。

上質な化粧箱に収められている

省包装時代に逆行するような、近年まれに見る上質な化粧箱に収められている

専用ソフトケースに収められた本体が登場

専用ソフトケースに収められた本体が登場、Beats Audioロゴが印象的に記されている

 Beats Audio を象徴する「B」のロゴは各所にあり、さらにはWindows 7のメニューやアイコン、ウインドウのデザインに至るまでBeats Audio独自のテーマとなっており、隙がない。

Beats Audioテーマのデスクトップ

Beats Audioテーマのデスクトップ。アイコンやウインドウ枠にまで手が入れられている

 外装も単にカラーを変えただけではなく、パームレストやキーボードの周囲、底面までもがラバーコーティングされており、しっとりとした質感で応えてくれる。また、ACアダプターも今までにないケーブル着脱が可能なスリムタイプを採用する。

しっとりとした感触が手になじむ

ラバーコーティングによる、しっとりとした感触が手になじむ

スリムな付属ACアダプター

本体と同程度の厚みのスリムな付属ACアダプター。電源ケーブルは着脱式で小型機器充電用のUSBポートも装備している

 なお、「ENVY」とはフランス語で「羨望」などを意味する言葉だ。映像や音楽などエンターティメントを存分に楽しめるようにした機種に付けられるシリーズ名だという。ENVY14とは、「14型ディスプレーを搭載し、オーディオに特化したノート」ということになる。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事