CPUのデュアルコア/4スレッド化
高速化の効果は?
下記の比較表でわかるように、BL550/CSと従来機種のBL550/BS6は、一見しただけでは同じように見える。OSも前機種からはWindows 7 Home Premiumを搭載しており、すでにネットブックの上を狙うものとして進められていたのだろう。大きな違いは、より性能向上を狙えるデュアルコアのAtom N550の搭載だ。
BL550/CS | BL550/BS6 | |
---|---|---|
OS | Windows 7 Home Premium 32bit | |
CPU | Atom N550(1.50GHz) 2コア/4スレッド |
Atom N470(1.84GHz) 1コア/2スレッド |
チップセット | Intel NM10 Express | |
メモリー | 2GB | |
グラフィックス | CPU内蔵(Intel GMA 3150) | |
HDD | 320GB |
しかし、Windows 7のエクスペリエンスインデックスは、残念ながら振るわない結果となった。参考までにAtom N280(1.66GHz)を搭載する旧世代の「BL330/VA」と比べても、それほど大きな差にはなっていない。
また、シングルコア1スレッドのAthlon Neo MV-40(1.6GHz)を搭載する「ThinkPad X100e」と比較しても、2コア4スレッドのAtom N550の優位性は、あまり見えてこない。
実際に試用中も感じたことだが、BL550/CSでは何かの処理を行なおうとするたびに、かなりの待ち時間がかかっていた。例えば、Internet Explorerが起動するまでや、ウェブを閲覧していてタブを切り替えるといった際に、ストレスを感じる。エクスペリエンスインデックスの最低値が示すように、特にCPUと描画関係が弱いためだろうか。手持ちのノートで、特にCPUクロックが近いものと、表示・描画関連のベンチマークテストをいくつか実施してみた。
使っているときには、これほどまでの違いは感じないものの、描画に関していえば旧世代のCPUやシングルコア/スレッドのCPUより極端に低い値となっている。またH.264ムービーの再生では、ThinkPad X100eが20~30%のCPU負荷で済むのに対して、BL550/CSでは4スレッドともに80%前後で推移していた。何か作業をする場合も、ウインドウのオープン/クローズでさえ妙な引っかかりを感じることがあった。
グラフィックドライバーの改良で改善される可能性もあるが、最新CPUといってもやはりAtomはAtomなのだろうか? 通常のモバイルノートとして利用するのではなく、やや高速なネットブックと考えたほうがよさそうである。なお、参考までに「PCMark Vantage」でテストした結果は、トータル値で「1470」だった。Core 2 Duo搭載のCULVノートでも3000程度はいくので、その半分程度の実力というところか。
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