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週刊 PC&周辺機器レビュー 第73回

ネットブックから脱却、新生LaVie Lightの実力は?

2010年09月24日 12時00分更新

文● 池田圭一

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CPUのデュアルコア/4スレッド化
高速化の効果は?

 下記の比較表でわかるように、BL550/CSと従来機種のBL550/BS6は、一見しただけでは同じように見える。OSも前機種からはWindows 7 Home Premiumを搭載しており、すでにネットブックの上を狙うものとして進められていたのだろう。大きな違いは、より性能向上を狙えるデュアルコアのAtom N550の搭載だ。

BL550/CS BL550/BS6
OS Windows 7 Home Premium 32bit
CPU Atom N550(1.50GHz)
2コア/4スレッド
Atom N470(1.84GHz)
1コア/2スレッド
チップセット Intel NM10 Express
メモリー 2GB
グラフィックス CPU内蔵(Intel GMA 3150)
HDD 320GB

 しかし、Windows 7のエクスペリエンスインデックスは、残念ながら振るわない結果となった。参考までにAtom N280(1.66GHz)を搭載する旧世代の「BL330/VA」と比べても、それほど大きな差にはなっていない。

BL550/CSのWindowsエクスペリエンスインデックスの値

BL550/CSのWindowsエクスペリエンスインデックスの値

 また、シングルコア1スレッドのAthlon Neo MV-40(1.6GHz)を搭載する「ThinkPad X100e」と比較しても、2コア4スレッドのAtom N550の優位性は、あまり見えてこない。

Windowsエクスペリエンスインデックスの比較

Windowsエクスペリエンスインデックスの比較

 実際に試用中も感じたことだが、BL550/CSでは何かの処理を行なおうとするたびに、かなりの待ち時間がかかっていた。例えば、Internet Explorerが起動するまでや、ウェブを閲覧していてタブを切り替えるといった際に、ストレスを感じる。エクスペリエンスインデックスの最低値が示すように、特にCPUと描画関係が弱いためだろうか。手持ちのノートで、特にCPUクロックが近いものと、表示・描画関連のベンチマークテストをいくつか実施してみた。

「CrystalMark 2004R3」の測定結果

「CrystalMark 2004R3」の測定結果。比較対象のThinkPad X61sはCore 2 Duo L7500(1.60GHz)、ThinkPad X100eはAthlon Neo MV-40(1.60GHz)を搭載する

MMDで物理演算オンでの表示状況

MMDで物理演算オンでの表示状況。CPU負荷はさほどでもないが、表示フレームレートは「6」fpsと低く非実用的。ThinkPad X61sなら「26」、ThinkPad X100eでも「12」は出ていた

フルHD解像度のH.264 mp4動画の再生時

こちらはフルHD解像度のH.264 mp4動画の再生時の様子。CPU負荷は高いものの何とか使えるレベル。低解像度のmp4であれば、50%程度のCPU負荷で再生可能

 使っているときには、これほどまでの違いは感じないものの、描画に関していえば旧世代のCPUやシングルコア/スレッドのCPUより極端に低い値となっている。またH.264ムービーの再生では、ThinkPad X100eが20~30%のCPU負荷で済むのに対して、BL550/CSでは4スレッドともに80%前後で推移していた。何か作業をする場合も、ウインドウのオープン/クローズでさえ妙な引っかかりを感じることがあった。

 グラフィックドライバーの改良で改善される可能性もあるが、最新CPUといってもやはりAtomはAtomなのだろうか? 通常のモバイルノートとして利用するのではなく、やや高速なネットブックと考えたほうがよさそうである。なお、参考までに「PCMark Vantage」でテストした結果は、トータル値で「1470」だった。Core 2 Duo搭載のCULVノートでも3000程度はいくので、その半分程度の実力というところか。

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