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週刊 PC&周辺機器レビュー 第73回

ネットブックから脱却、新生LaVie Lightの実力は?

2010年09月24日 12時00分更新

文● 池田圭一

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バッテリー駆動時間に仰天 本気で10時間使える!

L(大容量)タイプのバッテリーが標準付属

L(大容量)タイプのバッテリーが標準付属。スマートなMタイプバッテリーもオプションで用意される

 スペック表を見ていて驚いたのは、バッテリー駆動時間だ。カタログ値で約10.1時間、標準でLタイプのバッテリーが付属するとはいえ、このロングライフはかなりうれしい(ちなみに前機種では約8.4時間)。いくつかの状況を設定し、実際にどれぐらい使えるのか試してみた。

 電源プランを標準の「LaVie」(バックライト明るめ)、無線LANも有効にして、「BBench」でインターネットに定期的にアクセスしながら、H.264動画を連続再生(スピーカー出力オン)したところ、自動的にスリープ状態に移行するまでちょうど4時間使えた。この状態でのCPU負荷は60~80%、バッテリー測定ツール「YbInfo」でチェックした電力消費量は15000mw前後であった。バッテリーの満容量は62640mWhなので、電力消費が高い状態でほぼ4時間と考えてよさそうだ。

高負荷時のバッテリー使用時間テストの様子

 一方、省電力モードではどうだろうか? 電源プランを「ECO」にしてみる。この電源モードでは、バックライトの明るさが20%程度となりWindows Aeroがオフになる。また、バッテリー節約ツールにより、サウンド/有線LAN/メモリーカードスロットへの電源供給を停止して、ワイヤレス通信機能(無線LANかWiMAX)もオフにした。今回は新幹線などでの移動を想定して、BBenchで連続的なテキスト入力を行なう。

 CPU負荷を見ると、片方のコアが20~40%、もう片方のコアは1%前後で推移し、電力消費量は7000mw前後であった。前と同様に強制的にスリープ状態に移行するまでの時間を測ると、なんと約10時間30分(約10.5時間)、BBenchでのバッテリー残容量を示すグラフがなかなか下がらないのに苛立ちを覚えるほどだ。

電源プラン

電源プランを「ECO」にすると、サウンド/有線LAN/メモリーカードなどへの電源供給を停止できる

 実際の利用時はこれほど極端な設定ではないだろうから、高負荷・低負荷を場面に応じて使い分けることになるだろう。それでもバッテリーだけで6~8時間の運用が可能で、ビジネスマンが仕事で使うモバイルとしても十分だといえる。なお、空冷ファンなどの回転も細かく制御され、高負荷時の騒音もほとんど気にならない程度に抑えられていた、外出先や会議室などにも気軽に持ち出せる。


 目に見える外観上の世代では3代目となるBL550/CS。前モデルより若干の小型軽量化がなされ、キーボードやカラーリングがスタイリッシュになった。高性能化はあまり感じられないのだが、スクラッチリペアの採用やバッテリー使用時間の延長など「気軽に持ち出せてどこでも使える」というネットブックのコンセプトを正しく発展させたミニノートとして高く評価できる。

 BL550/CS6の直販価格は、レッド/ホワイト/ブラックの各色とも8万4840円。Office Personal 2010(2年ライセンス版ではなくフルライセンス)が付いてこの価格ならば安価だ。欲を言うなら、すでにネットブックではないところを狙っているのだから、Office無しなどの細かなカスタマイズモデルも用意してほしいものである。

LaVie Light BL550/CS の主な仕様
CPU Atom N550(1.50GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス CPU内蔵(Intel GMA 3150)
ディスプレー 10.1型 1366×768ドット
ストレージ HDD 320GB
光学ドライブ なし
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、モバイルWiMAX
サイズ 幅253×奥行き194.5×高さ25.7~44.9mm
質量 約1.22kg
バッテリー駆動時間 約10.1時間
OS Windows 7 Home Premium 32bit
価格 オープンプライス(直販価格 8万4840円)

筆者紹介─池田圭一

月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。


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