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週刊 PC&周辺機器レビュー 第72回

落としてよし沈めてよし?の頑丈ノート CF-31

2010年09月17日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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Core i5を搭載し、前モデルより2倍のパワーアップ

 CF-31はCPUに、標準電圧版のCore i5-520M(2.40GHz)を搭載している。メモリーは2GBと普通で、最大は6GBまで。ビデオメモリーで最大763MB利用するので、できれば4GBに増設しておきたい。HDDは160GBと控えめだが、耐衝撃性を高めるためには妥協のしどころか。グラフィックスはCPUの内蔵機能を利用する。

 OSはWindows 7 Professional 32bitを採用しており、高性能もあって動作はスムーズ。現場で利用するアプリケーションなら、きびきび動くだろう。Windows 7のエクスペリエンスインデックスのスコアは「3.9」と普通だが、これはグラフィックスがCPU内蔵のため。どちらにせよ、XGA(1024×768ドット)の液晶ディスプレーでヘビーなCADやCGソフトを使うことはあまりないだろう。その他のスコアは5.3~6.5と実用レベルだ。

Windows 7のエクスペリエンスインデックスのスコア

Windows 7のエクスペリエンスインデックスのスコア

 試しに、2009年2月に触れた前モデルとベンチマークスコアを比較してみた。「CrystalMark2004R3」の総合スコアは、約2.1倍に向上。HDDとグラフィックが約1.5倍、メモリーとCPUは2倍以上のパワーアップをはたしている。

CF-31の計測結果

「CrystalMark2004R3」でのCF-31の計測結果

CF-30の計測結果

前モデル「CF-30」(CF-30FR1AJS)の計測結果


警察からスパイまで御用達のタフノート

バケツで水をかけるデモ

製品発表会で披露されたバケツで水をかけるデモ

 さすがに試用機で試すことはできなかったが、CF-31は120cmからの落下テストや、減圧した状態で粉じんを8時間吹き付けたり、全方位から1分あたり12.5リットルの噴水をかけ続けるテストもクリアしている。CF-31の発表会でも、バケツで水はかけるは高いところから落とすは、しまいには水に沈めたりといった過酷なデモを披露していた。このテストの結果が、無破損・無故障を保証するわけではないのはお約束だが、すばらしい頑丈さを備えていることはよく理解できる。

 見たことのある方も多いかと思うが、Panasonic USAはYouTubeの公式チャンネルにて、バギーでCF-31を引きずり回す動画を公開している。ムービーを再生したままの状態でディスプレーを閉じ、バギーに鎖でCF-31をつないで、ダートコースを疾走するのだ。もちろん、ゴールした後にディスプレーを開くと、何事もなかったように再生が続いている。ノートを落として壊したことのある人にとっては、感動ものの動画だ。

 CF-31は工事現場や工場など、パソコンをラフに使う環境で重宝する。個人でのユーセージを考えた場合、釣りやクルージングなどのアウトドアレジャーに持っていくのもいい。釣果を記録したり、会場でGPSやチャット、Skypeを使えるのは楽しい。海の家やプールに置いてあったら、引っ張りだこ間違いなし。標高1万5000フィート(約4572m)、-29~60度といった環境での動作テストもクリアしているので、富士山はもちろんマッターホルン(標高4478m)にだって持っていける。

 また、タフブックは振動に強いので、車載用パソコンとしても人気を集めている。アメリカの警察ではパトカーに採用しているくらいだ。ちなみに、映画「Mr.&Mrs.スミス」では、砂漠のシーンでアンジェリーナ・ジョリー扮する女スパイがタフブックを使っている。ブラッド・ピットにバズーカーを打ち込まれて、さすがに壊れてしまったが。

 CF-31の予想実売価格は40万円超と値が張るが(価格はオープンプライス)、注ぎ込まれている技術を考えれば高くはない。今まで使えなかった場所でパソコンを利用できる。ラフな運用でも壊れない。タフなフィールドで活動するユーザーは要チェックだ。

CF-31(CF-31ATAAKDJ) の主な仕様
CPU Core i5-520M(2.40GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス CPU内蔵(Intel HD Graphics)
ディスプレー 13.1型 1024×768ドット
ストレージ HDD 160GB
光学ドライブ なし(オプションで内蔵可能)
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 2.1
サイズ 幅302×奥行き292×高さ73.5mm
質量 約3.72kg
バッテリー駆動時間 約12時間
OS Windows 7 Professional 32bit
価格 オープンプライス(予想実売価格 45万3180円)

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)、「Linkedln人脈活用術」(東洋経済新報社、共著)。


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