着うたやおサイフケータイなど、ガラケーにあってiPhoneにない機能はいくつかあるが、モバイルAVデバイスとして考えたときに搭載されていたら重宝しただろうなあと思うのがワンセグの受信機能である。外出中、どうしても見たい番組を(画質はともかく)気軽に見られるのはやはり便利だからだ。
こうしたニーズを汲み取り、iPhone用周辺機器としてソフトバンクモバイルからリリースされているのが「TV&バッテリー」である。ワンセグ放送を受信し、それを無線LAN経由で送信することによってiPhoneでの番組視聴を実現するという製品だ。さらに外部バッテリーとしての機能もあり、Dock端子経由でiPhoneに接続すれば充電することも可能というもの。9840円と気軽に買える価格帯になっているのも嬉しい。
ただ、ガラケーならチューナーを本体に内蔵しているため単体でワンセグが見られるが、TV&バッテリーではiPhoneとチューナーの2つを持ち歩く必要があるのが難点である。カバンの中の荷物が増えてしまう上、それぞれのバッテリ状態も気にしなければならないのが面倒だ。
ただ、TV&バッテリーでワンセグ放送を受信するためのアプリには無償の「テレビ」と有償(1000円)の「TVモバイル」の2種類が用意されている(TVバンク提供)。テレビは、TV&バッテリーと直接無線LANで接続してワンセグを見られるというものだが、TVモバイルは別のネットワークを介してiPhoneとTV&バッテリーを接続することが可能だ。
3G回線経由は視聴不可という制限はあるが、それぞれがインターネットに接続されていれば、場所を問わずにワンセグを見られる環境を構築できる。
ここで思い出すのがソニーから発売されていた「ロケーションフリー」、通称「ロケフリ」である(現在は生産完了)。これはテレビ映像をMPEG-4、あるいはMPEG-2に変換してネットワーク経由で配信するというもので、自宅においたベースステーションで受信した内容を、外出先のPCやプレイステーション・ポータブルで見られるというユニークな製品だった。TV&バッテリーとTVモバイルの組み合わせは、ロケフリ環境を実現できる貴重な存在なのだ。
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