限られたデスクスペースを有効活用
一体型PCのメリットは、本体と液晶ディスプレーがひとつの筐体にまとまっているため、フットプリントが抑えられる点にある。そこで、本製品と同様にフルHD解像度に対応するM90zとともに、フットプリントを計測してみた。
大きな違いとしては、Compaq 6000がスタンドを用意しているのに対し、M90zは本体兼ディスプレーを斜めにさせえるように脚が付いている点。Compaq 9000はスタンドを外すと、10cm角のVESAマウントが現れるので各種アームの使用も可能だ。
M90zは液晶ディスプレーのサイズが23型ワイドと、Compaq 6000より大きい分、横幅が15.5mmほど広いが、奥行きはほとんど差がないと考えていいだろう。
Compaq 6000は21.5型ワイド、M90zは23型ワイドの大型液晶ディスプレーを搭載しているため、視認性/作業スペースともに良かった。視野角に関しても、両機種ともおおよそ斜め45度から見た限りでは目立つ色の変化は見られず良好といえるだろう。
最近のノートPCは、15型ワイド液晶ディスプレーでフルHDに対応している機種も存在するが、数値で埋め尽くされたエクセルデータやウェブサイト、ファイル名などを見るには少し手狭だ。幅広い年齢層が働く企業では、こうした画面の大きさにも着眼したいところである。
台座に載せるか、倒れかかるか
設置性という観点では、Compaq 6000は液晶ディスプレーの下部にキーボードを収納できるスペースが用意されている点に注目。実際に仕事をしていると、大判の資料を参照したり、紙の資料に手で何か書き込むケースが意外に多いものだ(仕事以外では、自席で弁当を食べたりといったケースもあるかもしれない)。
こういうときキーボードというのはとても邪魔なものである。PCの操作が不要なときは、キーボード分の奥行きが確保できるので、限られたデスクスペースを有効活用できそうだ。
また、液晶ディスプレーのチルト角度が手前に5度倒れるという点も面白い。女性など小柄な人では、椅子を適切な高さにすると、ディスプレーを見上げるような姿勢になってしまいがちだが、その場合も便利である。また男性でも、椅子にもたれかかり、リラックスした状態で液晶ディスプレーを眺めると、自然に下から画面を見上げる体勢になる。
なお、Compaq 6000は、台座が回転式になっており、本体の水平方向を360度、自由に調節できる。会議室据え置きのプレゼン用PCとしての用途も考えられるのではないだろうか。
一方評価機として用意したM90zでは、手前方向へのチルトはできない仕様になっている。タッチパネル対応という性質上、液晶ディスプレーをタッチした力で倒れるのを防ぐためだろう。
M90zは、電源が内蔵されているため、ACアダプターの置き場所に困らない点が魅力だ。両機種ともフットプリントが優秀だが、Compaq 6000はACアダプターが大きく、幅70×奥行き165×高さ40mm(筆者計測)で、設置面積だけを考えれば、一般的な大きさのハードカバー書籍を2冊程度は縦置きできるスペースを占有してしまう。
この連載の記事
-
第39回
デジタル
堅牢性に自信あり! 「HP EliteBook 2560p」 -
第38回
ビジネス
タブレットでもCore i5搭載、「Eee Slate B121」の実力は? -
第37回
デジタル
高質感・高拡張性のプロ仕様、「HP ProBook 6560b」 -
第36回
ビジネス
パナソニックの「TOUGHBOOK CF-31」を試す -
第35回
デジタル
顔認証と省電力「HP 8200 Elite All-in-One」の実力検証 -
第34回
デジタル
薄さ10mm、HPの持ち運べる液晶「L2201x」を試す -
第33回
ビジネス
デルの「OptiPlex 990」を試す -
第32回
ビジネス
ピークシフト対応機の本当のところ -
第31回
デジタル
ついに第2世代Core i搭載した「ThinkCentre M91p」 -
第30回
ビジネス
富士通、次世代Atom搭載の全部入りスレートPC「STYLISTIC」 -
第29回
デジタル
マウスコンピューターの「MPro-iS210B」を試す - この連載の一覧へ