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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第76回

今こそ図書館が熱い! 「東京図書館制覇!」の魅力

2010年08月03日 12時00分更新

文● 古田雄介

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制覇しているからこその価値を考える

―― サイト運営のモチベーションについて教えてください。すでに2007年に都内23区の図書館を完全制覇されていますが、その後も安定した更新を続けられているのは、どんな理由があるんですか?

Takeni いったん制覇したあとはちょっと気が抜けましたよ、やっぱり(笑)。でも、図書館はわりと早いペースでリニューアルしたり、まったく新しい施設ができたりしているんですよ。それを読者や職員の方から教えていただくこともあって、書くことがなくなるという状況にはなりませんでした。以降は、時間ができたときに新しくなった図書館に行ったり、「Twitter診断――オススメベストセラー本」みたいな遊びのコンテンツを追加したりして、マイペースで続けていますね。やっぱり、読者の方からの反響があるというのが大きいと思います。

2010年7月に追加したコンテンツ「Twitter診断―オススメベストセラー本」。Twitter IDから、おすすめの書籍を占ってくれる

―― では、今後も現在のスタイルで続けていくわけですね。

Takeni 目標として、ちょっと考えているのは、エリアを広げることですね。23区に接しているところからちょこちょこ増やしていくという感じで。「東京都全域制覇」としてしまうと、離島にも行かなくてはならなくなるので(笑)。

 とはいえ、読者の側からこのサイトを考えたとき、「制覇した」というのが重要だと思うんです。図書館を巡るサイトはたくさんありますが、そのなかで差別化できているのは、制覇が完了していること、徹底していることなんですよね。その状態からエリアを拡大すると、100%近くにあったものが、80%や70%になってしまって、全体の価値を薄めてしまうという問題もあるんです。

―― となると、やるとしたら「川崎図書館制覇!」「千葉図書館制覇!」みたいな姉妹サイトを増やしていく感じですか?

Takeni それに関しては、実現できるか分からない壮大な夢があるんですよ。いまは、自分のサイトを自宅のPCに入れた自作のプログラムで更新しているんですけど、それを公開して、全国の人に各地の図書館情報を構築してもらうという……。

―― 集合知サイトですね。

Takeni そうです。もしそれが実現できたら面白いかなと思っています。たとえば、東京と北海道の図書館網羅サイトがバラバラにあったら、それぞれのサイトが「この図書館は一番大きい!」と書いたりするじゃないですか。でも、各サイトがつながっていたら、書き手もそれが全国で何番目に大きいのか調べやすくて、読者により正確な情報を提供できるようになります。私一人で全国の図書館を調べるのは無理ですが、そうやって全国の人と情報を共有できたら、楽しそうですね。

「図書館は今も増えています」と語るTakeni氏。各地の図書館を巡るのは、新しい街に降り立つ小旅行のようで楽しいとも話していた



筆者紹介──古田雄介


古田雄介

 元建設現場監督&元葬儀業者&現古銭マニア&毎週仕事で秋葉原と都内量販店に足繁く通う毎日を送る現デジタルライター。「古田雄介のブログ」ではみなさんのお勧めサイトを募集中です。




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