WHSは追加したHDDを自動的に認識して、WHSのストレージ(データドライブ)として再構成する機能を持つ。追加するHDDは、メーカーやモデル、容量が異なっても問題ない。また、RAIDのように複雑な設定も必要ないため、パソコンに詳しくないユーザーにとっても簡単にストレージの増設が可能だ。
一方、外付けのUSB HDDやeSATA HDDは、データドライブとして使用するだけでなく、単独のHDDとして認識させてWHSのストレージにデータを転送したり、WHS本体のバックアップに使用できる。
本機を使用してみると、ファン音(8センチファン×2個)が気になるということもなく、動作音は静かだ。ケース自体も通気を考えて設計されているため、熱でトラブルが起きることもなかった。ただし、床に直接置いておくと、吸い込んだホコリなどで長期的にはトラブルを起こす可能性もある。置き場所はあまりホコリがたまらない場所にすべきだろう。
デフォルト状態では、動作状態を表しているLEDが明るすぎて気になった。しかし、EX490の専用ソフトにはLEDの明るさをコントロールする機能が付いていた。これを操作すると、LEDの明るさを下げられた。これなら家庭に設置しても、夜中にLEDが煌々と光っているということも起こらない。細かい配慮がされている。
後発だけに豊富な独自機能を満載
既存のWHS専用機は、ハードウェアは専用のものを用意していても、ソフトウェアに関してはWHSそのままという製品が多かった。一部、WHSのアドイン機能を利用して、独自機能を追加しているものもあったが、独自の機能をアピールして差別化できるほどではなかった。
しかし、EX490はHPが用意した独自のアプリケーションによって、WHSの使い勝手を格段に向上させている。まずメディアサーバーとしての機能が充実している。これは、DLNAサーバー機能を持つ「TwonkyMedia サーバ」や、iTunesサーバー機能で実現されている。
TwonkyMedia サーバは、WHSをDLNAサーバーにするソフトだ。このソフトを組み込むと、DLNAに対応した家電などから、WHSに保存されているビデオや写真、音楽などをストリーミング配信できるようになる。例えば、東芝の液晶テレビ「レグザ」やソニーの「ブラビア」などはDLNAクライアント機能を備えているので、WHSに保存されているビデオをネットワーク経由で再生できる。プレイステーション3やXbox 360もDLNAに対応しているため、これらでもEX490のコンテンツを簡単に再生できる。
またEX490には、「HP Media Streamer」というストリーミング配信サーバー機能も用意されている。HP Media Streamerでは、インターネットを経由して自宅のEX490にウェブブラウザーでアクセスして、ビデオや写真、音楽のストリーミング配信を行なえるようになる。
ほかにも、「HP Photo Publisher」という機能を利用すれば、EX490内の写真をPicasaやFlickr、Facebookといった写真共有SNSに自動的にアップロードできる。さらに、EX490をリモートアクセスできるように設定しておけば、「HP Photo Viewer」機能を利用してブラウザーで写真を見られる。例えば、URLを友人に教えておくと、友人もEX490のHP Photo Viewerを使って、公開されている写真を見られる。
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