ホームサーバーを手軽にする
HP Media CollectorとHP Video Converter
EX490には、クライアントとなるパソコンから自動的に写真や動画などのコンテンツを収集する「HP Media Collector」と、動画ファイルを自動変換する「HP Video Converter」というアプリケーションが用意されている。この2つのソフトが、ホームサーバーとしてのEX490の使い勝手を向上させている。
HP Media Collectorは、EX490に接続されるクライアントパソコンから、自動的に最新のコンテンツを収集して、EX490上に集める。例えば、デジカメで撮影した写真をパソコンに転送して特定のフォルダーに置いておくと、自動的にEX490に収集される。それも、更新されたり新しく追加された写真だけが収集されるため、同じ写真が何度もEX490に収集されることもない。ただし、収集できるファイルは限定されており、何でも収集できるわけではない。
HP Media Collectorが収集するファイル | |
---|---|
画像 | jpg、gif、tif、pct、mov |
ビデオ | avi、mov、m4v、mpeg、mp2、wmv、flv、divx、dvr-ms、m2ts |
音楽 | mp3、wma、m4a、aac、wav、プレイリスト(m3u、wpl)、アルバムアート |
コンテンツの収集は、クライアント全体から検索するのか、特定のフォルダーに絞って検索するのかを指定できる。なお、クライアント全体からコンテンツを検索した場合は、家族に見られたくないような画像も一括してEX490に収集されることになる。検索対象フォルダーはきちんと指定した方がよいだろう。
一方のHP Video Converterは、WHS内に取り込んだビデオファイルを別のフォーマットに簡単に変換する機能だ。この機能を利用すれば、例えばMPEG2ビデオファイルをEX490に取り込むだけで、PSPやiPhoneなどで主流になっているH.264/MPEG-4フォーマットに自動変換できる。モバイルデバイスにあわせて、解像度の変換も行なえる。
- HP Video Converterがサポートするビデオフォーマット
- DivX、XVID、MJPEG、MPEG-1/2、WMV/VC1、H.264/MPEG-4
便利なのは、指定したフォルダーにビデオファイルをコピーするだけで、HP Video Converterが新しいビデオファイルを認識して、自動的に変換を始めることだ。ユーザーがいちいち、変換ソフトを起動して変換する必要はなくなる。
ただしEX490のCPUは、昨今のパソコン用CPUに比べると低速なCeleron 450なので、変換処理にはある程度時間がかかってしまう。筆者の実験では、30分のHDビデオをiPhoneフォーマットに変換するには、1時間ほどかかった。
この2つの機能を組み合わせて使うと、クライアントのビデオファイルをHP Media Collectorで自動収集したうえで、HP Video Converterで自動的にiPhoneやPSP用の動画に変換するといったことが可能になる。
MacやiPhoneへの配信も
WHSはクライアントOSとして、Windows 7/Vista/XPなどをサポートしている。しかし、標準ではMac OSはサポートされていないし、iPhone/iPadは論外だ。しかし、HPは独自ソフトを用意することで、EX490のクライアントとしてMacやiPhoneをサポートしている。
EX490には、HPが開発したMac上で動作する「HP Data Vault Software」が用意されている。このソフトをMacにインストールすれば、Windowsのコネクタソフトウェアと同じ機能がMacでも利用できる。
さらにバックアップに関しては、Macのバックアップ機能「Time Machine」と連携して、EX490上にバックアップを作成できる。復元用のUSBメモリーで対象のMacを起動すれば、EX490に保存されているバックアップデータから、復元可能だ。
またHPでは、「HP MediaSmart Server iStream」というiPhoneアプリを無償で提供している。このアプリを利用すれば、EX490にLAN経由でアクセスして、ビデオや写真、音楽などのコンテンツをストリーミング再生することが可能だ(iPad用は開発中とのこと)。
残念ながら、今回は筆者の手元にMacやiPhoneがなかったのでテストはできなかったが、WindowsとMac、iPhoneの両方を使っている家庭にとっては、非常に便利な機能だろう。
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