常用も可
リアルタイムに表示を高精細化する超解像技術
次に本製品を際立たせている「超解像技術」を見ていこう。ひとくちに「超解像」といっても、それを実現する方式はさまざまだ。スキャンコンバーターのように全体の画素数を増やすもの、輪郭部分が滑らかになるよう画素を補完するもの、動画でのフレーム補完も一種の超解像技術といえよう。入力した映像の解像度を向上させて表示することができれば、超解像技術といえる。
E2350VR-SNの超解像は、コントラスト強化、輪郭増強、細線化を組み合わせたもののようだ。アルゴリズムは以下のようになっている。
- 1:拡大画像からぼやけ部分の抽出
- 2:混色分離技術により鮮鋭化
- 3:鮮鋭画像を低解像度画像に変換
- 4:入力画像との差分を最小化
基本的には1フレーム単位でリアルタイム処理が実行され、遅延は発生しないというものだ。さらに、輪郭周辺が白く浮き上がるオーバーシュート現象を抑えるシュート抑制機能も搭載している。
E2350VR-SNでの超解像機能は、設定画面の「SUPER+ RESOLUTION」にて調整する。処理をかけないNORMALとLOW/MEDIUM/HIGHの3段階が用意され、画面の左右に分割してノーマル画面と超解像画面を同時表示するデモ・モードも用意されている。それぞれの効果を実際の画面表示で確認してみた。
NORMAL 黒も白も抑え気味で全体的にぼやけた感じがするが、グラデーションは滑らかだ。拡大してもソフトな感じだが、実は元データを忠実に表示するのがこのモード。
LOW コントラストが向上し、鮮やかさが増した。肉眼で見るイメージのようだ。ボケが減り、黒が暗く白が明るくなったことでNORMALとは歴然の差となった。
MEDIUM LOWとの違いがわかりにくいものの、細線の見え方が違う。細部の輪郭が明瞭になり、細かな構造も見え始めた。明らかに解像度が向上。
HIGH さらにコントラストが強調され、文字の周囲にわずかにオーバーシュートが見える。階調が潰れ気味となってノイズも増強されるが、細線や背景がさらに鮮明になる。
このような本格的な画像処理を、入力信号に対してリアルタイムで行なうのだから、なかなかスゴイ能力といえる。デモモードで見ると、全体的な処理効果の違いもわかるだろう。
なお、Windowsなどの画面表示では中間明度(グレー地に黒文字など)の部分でオーバーシュートが目立ってしまうものの、遠くから画面を見たときに認識しやすくなる。好みにもよるのだろうが、超解像の常用も考えられる。
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