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週刊 PC&周辺機器レビュー 第53回

超解像を搭載したLED液晶ディスプレー E2350VR-SN

2010年05月07日 12時00分更新

文● 池田圭一

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常用も可
リアルタイムに表示を高精細化する超解像技術

 次に本製品を際立たせている「超解像技術」を見ていこう。ひとくちに「超解像」といっても、それを実現する方式はさまざまだ。スキャンコンバーターのように全体の画素数を増やすもの、輪郭部分が滑らかになるよう画素を補完するもの、動画でのフレーム補完も一種の超解像技術といえよう。入力した映像の解像度を向上させて表示することができれば、超解像技術といえる。

 E2350VR-SNの超解像は、コントラスト強化、輪郭増強、細線化を組み合わせたもののようだ。アルゴリズムは以下のようになっている。

  • 1:拡大画像からぼやけ部分の抽出
  • 2:混色分離技術により鮮鋭化
  • 3:鮮鋭画像を低解像度画像に変換
  • 4:入力画像との差分を最小化

 基本的には1フレーム単位でリアルタイム処理が実行され、遅延は発生しないというものだ。さらに、輪郭周辺が白く浮き上がるオーバーシュート現象を抑えるシュート抑制機能も搭載している。

超解像(SUPER+ RESOLUTION)のメニュー

超解像(SUPER+ RESOLUTION)のメニュー。効き具合は3段階に調節できる。タッチセンサーの有効部分が青点で示され、OSF画面の矢印と位置がそろっていることに注目

 E2350VR-SNでの超解像機能は、設定画面の「SUPER+ RESOLUTION」にて調整する。処理をかけないNORMALとLOW/MEDIUM/HIGHの3段階が用意され、画面の左右に分割してノーマル画面と超解像画面を同時表示するデモ・モードも用意されている。それぞれの効果を実際の画面表示で確認してみた。

NORMAL 黒も白も抑え気味で全体的にぼやけた感じがするが、グラデーションは滑らかだ。拡大してもソフトな感じだが、実は元データを忠実に表示するのがこのモード。

NORMAL表示とその拡大


LOW コントラストが向上し、鮮やかさが増した。肉眼で見るイメージのようだ。ボケが減り、黒が暗く白が明るくなったことでNORMALとは歴然の差となった。

LOW表示とその拡大


MEDIUM LOWとの違いがわかりにくいものの、細線の見え方が違う。細部の輪郭が明瞭になり、細かな構造も見え始めた。明らかに解像度が向上。

MEDIUM表示とその拡大


HIGH さらにコントラストが強調され、文字の周囲にわずかにオーバーシュートが見える。階調が潰れ気味となってノイズも増強されるが、細線や背景がさらに鮮明になる。

HIGH表示とその拡大

 このような本格的な画像処理を、入力信号に対してリアルタイムで行なうのだから、なかなかスゴイ能力といえる。デモモードで見ると、全体的な処理効果の違いもわかるだろう。

超解像技術のデモモードで見え方を比較

超解像技術のデモモードで見え方を比較。左がNORMAL、右がHIGHとなる

 なお、Windowsなどの画面表示では中間明度(グレー地に黒文字など)の部分でオーバーシュートが目立ってしまうものの、遠くから画面を見たときに認識しやすくなる。好みにもよるのだろうが、超解像の常用も考えられる。

デモモードでWindowsのGUIの見え方を比較

同じくデモモードでWindowsのGUIの見え方を比較

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