低音の深みが増しつつ全体のバランスは継承
ATH-CKS90の外観の雰囲気はATH-CKS70と似ているが、ドライバー部分が大型化している。これはドライバーが12.5mmから13mmと大型化していることもあるが、それよりもチャンバー(空気室)が追加されたことによる影響が大きいようだ。
もともとATH-CKS70/50でも、イヤフォンの外側のサブチャンバーと、さらに本体側のチャンバーの2つで低域を増加させるという構造になっていた。ATH-CKS90では外側のチャンバーがさらに2つに分けられている。これによりさらに深みのある低音を実現しているというわけだ。
従来機と比べると、チャンバー部分が大きくなったことでかなり大型になった印象を受けるが、装着していて気になることはない。装着感も良好だ。
ATH-CKS70/50で搭載されていた、イヤーピースの位置を2段階で調整できる2ポジションポストも継承されている。これによって音質が変化するため、好みに応じて調整できるというわけだ。
実際に試聴してみると、一聴して従来モデルであるATH-CKS70と大きく違うことが分かった。特に違うのはやはり低音である。ATH-CKS90の低音は、従来機よりも深みがあり、メインの楽器の背後で鳴っている静かなベース音でもしっかり存在を感じられる。ただ、スッキリとした低音という印象は本機でも変わらず、動きの激しいベースを含む楽曲でも気持ちよく聴くことができる。
ただ、全般的なバランスのよさはしっかり継承している。このため、あまり楽曲のジャンルを選ばずに使えるのが大きな特徴だ。ロックやテクノ系が合うのはもちろんだが、意外とクラシックもしっかり聴かせてくれる。
特に交響曲をはじめとする大編成の曲を聴くと、低音が底上げされることで厚みのあるサウンドが楽しめる。また、低音を無理にブーストしているわけではなく、本来の低音の響きがしっかり感じられるため、こうした音楽でも違和感なく聴くことができる。
現在使っているATH-CKS70と比べると、やはり低音の厚みが大きく増している。また、特に交響曲などを聴くと解像感も増しているように感じる。現在のATH-CKS70も気に入っているが、発売日の4月23日からはATH-CKS90がメインのイヤフォンになりそうだ。
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