SSDモデルの場合、どのように使うべきか
8440w/CTはカスタマイズモデルのため、購入時に選択できるコンポーネントが多いのが特徴である。OSはWindows 7 Professional(32/64bit、英語版も選択可能)をメインに、Windows XPやVista Businessなど全8種から選べる。CPUはCore i7-720QMからCore i5-540Mまで、メモリーは最低2GBから最大8GBまで、ストレージは250GB/500GBのHDDのほか、160GB SSDも選べる。また液晶ディスプレーの表示解像度も、1366×768ドットあるいは1600×900ドットが選択可能だ。
なお今回試用した評価機は、CPUにCore i7-620M(2.66GHz)、GPUにNVIDIAのQuadro FX380M、メモリー2GB、160GB SSD(Intel X25-MのOEM向け版のようだ)、1366×768ドット表示のディスプレー、Windows 7 Professional 32bit版を搭載。外付けのDVDスーパーマルチドライブが同梱されていた。ストレージの容量が160GBというのは少々心もとないのだが、モバイル運用時の振動・衝撃リスクを思えば、SSDを選択したくなる。
上記構成でのWindowsエクスペリエンスインデックスは「4.9」、さすがにインテル謹製のSSDということもあって、「プライマリハードディスク」は「7.7」という高い値となった。また、総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」の結果を見ても、ディスクスコアが突出している。前回掲載した「VAIO E」と比較すると、CPUは同じでメモリーは少ないにもかかわらず、独立GPU「Quadro FX380M」(後述)とSSDによるパフォーマンス差は歴然としている。
別の総合ベンチマークソフト「CrystalMark 2004R3」にて、ディスクアクセスの詳細をみると以下のような結果になった。シーケンシャルリード/ライトならびに512KBのランダムアクセスでは、一般的な2.5インチSATA HDDの3~4倍の速度、小容量ファイル(64KB)のランダムリード/ライトにいたっては10倍以上も高速である。
「モバイル」と称してはいても、さすがに14型ワイド液晶ディスプレー搭載となると本体サイズもなかなか大きく、移動中の車内や旅客機内で作業するのは窮屈かもしれない。しかし、特に小容量ファイルのランダムアクセスが速いため、データベースへのアクセスやコンパイルなども、安心かつ効率よく作業できるはずだ。
また、ノングレアタイプの高解像度ディスプレーはLEDバックライト搭載で、ディスプレーの視認性も高い。そこにQuadro FX380Mの高い描画性能である。H.264動画の再生も低負荷であり、非常にスムーズだった。DisplayPortに接続できる外部ディスプレーはまだ普及しているとは言えないが、DisplayPort→HDMI/DVI変換コネクターを使えば、プレゼン時にも活用できる。
試用中に気になったのは、排気音である。1時間ほど電源を入れて置くと、特に何も負荷をかけていないのに空冷ファンが回転を始める。それ自体に問題はないのだが、排気孔付近での風切り音が「シュー」という高い音で、少々耳に付いた。静穏な場所でのことなので、オフィス内では気にならないレベルかと思える。
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