週刊 PC＆周辺機器レビュー 第48回

パワフルなビジネスノートHP EliteBook 8440wを検証

堅牢性・信頼性はもちろん省エネも！

　8440w/CTの筐体は、液晶ディスプレー部分がハニカム構造のマグネシウム合金をアルミニウムパネルで挟んだ作り。本体部分もマグネシウムベースで、液晶ディスプレーのヒンジ部分や特殊な開閉ラッチと合わせて、「HP DuraCase」とよばれる剛性の高い作りとなっている。外装は特殊コーティングで傷が付きにくいように保護され、キーボード表面も高い耐久性を持つという。

液晶パネルは2本のピンで本体側にロック、手前のボタンを押すと解除される。キー表面の硬化処理も評価したい

　さらに、パネルを閉じたときの液晶ディスプレーの保護機構など、細部にいたるまでビジネス仕様が徹底されている。キーボードを照らす「HP Night Light」や指紋認証機能など、実用的な機能を標準実装するのも見逃せない。

ディスプレー上部にある「HP Nigh Light」は、ポップアップ式のキーボードライト(左)。白色LEDがキーボードをやさしく照らす

ビジネスモバイルノートには必須と言ってもいい指紋認証機能を搭載(赤丸部)。セキュリティーチップなどと組み合わせて情報流出を防ぎたい

　省エネ指向の装備にも手抜かりはない。消費電力を視認できるようにし、月間/週間での電力消費やCO2排出量などをグラフ表示できる「HP Power Assistant」を搭載。利用シーンに応じて動作モードを適切に調整できるようにしていたり、「環境光センサー」で周囲の明るさに合わせてLEDバックライト輝度を自動調整できるようにしていたりと、省エネに関しての先進機能を備えているのも興味深い。

バッテリ残量、電力使用量などを表示する「HP Power Assistant」。ほかのアシスタント機能と連動しており、プロファイルを変更することで、無線LANや画面表示、周辺光センサーなどの制御も可能に

　本稿執筆時点では、まだ販売は開始されていないのだが、十分に実用的な最小構成でも、価格は12万6000円からである。国内メーカーのCULVノートに少し上乗せした程度の低価格で、高信頼性を誇るビジネスマシンが手に入るのはうれしいものだ。「モバイル・ワークステーション」ではあるが、オフィスで日常的に使う省スペース機としても有益だろう。

HP EliteBook 8440w/CT(評価機構成)の主な仕様
CPU	Core i7-620M(2.66GHz)
メモリー	2GB
グラフィックス	NVIDIA Quadro FX380M
ディスプレー	14型ワイド 1366×768ドット
ストレージ	SSD 160GB
光学ドライブ	搭載せず
無線通信機能	IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 2.1
インターフェース	USB 2.0×4(うち1はeSATA兼用)、IEEE 1394、DisplayPort出力、アナログRGB出力、10/100/1000BASE-T LANなど
サイズ	幅336×奥行き237×高さ31.3～39.5mm
質量	約2.24kg
バッテリー駆動時間	約5時間
OS	Windows 7 Professional 32bit版
価格	最小構成時 12万6000円から

筆者紹介─池田圭一

月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット＆グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。

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