携帯電話への搭載で徐々に広まったBluetooth
登場したばかりの頃、「Bluetooth」は決して世間に広く受け入れられたわけではなかった。むしろほぼ同時期に標準化された、同じく2.4GHz帯を利用する無線LANの規格である「IEEE802.11b」にばかり注目が集まり、Bluetoothへの期待度はそれほど高くなかったように思う。
その背景としては色々と考えられるが、たとえば汎用性を高めたことによる分かりづらさが考えられる。Bluetoothは幅広い用途に対応するべく、多数のプロファイルが提供されている。ただ、個々の機器で対応するプロファイルが異なっていると、同じBluetooth対応でも使えない状況があることから、使いづらいというイメージを持たれてしまったのではないかというわけだ。つまり高い汎用性が仇になってしまったのである。
最初は歴史に数多ある、ブレイクしなかったインターフェイスのひとつになるかと思っていたのだが、チップが低価格化してBluetoothを搭載する製品が増え始めたことで、徐々に広がっていく。特に搭載機が多く登場したのが携帯電話である。携帯電話にはヘッドセットやイヤフォン、PCなどと有線で接続するためのインターフェイスは用意されているが、外出先で使うときにいちいちこれらのケーブルを抜き差ししたり、動作に邪魔にならないように取り回すのは面倒だ。そこでBluetoothに注目が集まったというわけである。
ただ、Bluetoothが大いに普及しているかというと、決してそういう状況でもない。確かに携帯電話用のヘッドセット、あるいは携帯型オーディオプレーヤーと組み合わせて使うBluetooth対応ヘッドフォンは徐々に数を増やしているが、主流は相変わらずワイヤードの製品である。またBluetoothが広まっている領域のひとつとしてPCのマウスやキーボードといった周辺機器の接続用途が挙げられるが、こちらも独自の無線規格を利用した製品が目立つ。
では、Bluetoothはまだ使えない規格なのかというと答えはノーだ。確かに対応製品は少なく、何でもワイヤレスにできるわけではないが、特にケータイ端末とハンズフリーで会話をするためのデバイス、あるいは携帯型オーディオプレーヤーとイヤフォン/ヘッドホンとの相性は抜群で、一度はまると手放せなくなるというのが実感である。また宅内においても、わざわざケーブルをつながずにPCからBluetooth対応スピーカーを使って音楽を再生できるのはかなり便利である。ぜひ一度体感してほしい。
FMラジオ搭載のBluetoothオーディオレシーバー
さて、そんなBluetooth対応機器のひとつとして登場したのが、ソニーのBluetooth 2.1+EDR対応のワイヤレスオーディオレシーバー「DRC-BT60P」である。ソニーはBluetooth対応機器を積極的にリリースしているメーカーでもあり、複数のヘッドホンやレシーバー、スピーカーなどをリリースしている。ワイヤレスで音楽を楽しみたいなら、注目すべきメーカーなのだ。
記事掲載当初、製品型番に誤りがありました。お詫びして訂正いたします(2010年2月22日)

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