「一缶で4日しのぐ」日々から缶詰愛を自覚
―― まずは黒川さんと缶詰の出会いを教えてください。
黒川 最初に衝撃を受けたのは、少年時代にキャンプで鶏飯の缶詰を食べたときでした。それがすごく美味しくて、その思いがずっと残っています。家ではご飯のおかずに缶詰料理がよく出たし、ずっと好物という感じでしたね。
ただ、学生時代や社会人になりたての頃など、その後は特に缶詰を意識することなく過ごしました。缶詰を肴にして友達と酒を飲んだりしましたけど、そんな異常に缶詰を食べたわけでなく。
―― では比較的近年になって、缶詰に対する意欲が覚醒した感じですかね。
黒川 そうですね。7~8年くらい前のことですが、2年くらい冷蔵庫もない貧乏な暮らしをしていたんですよ。するとスーパーで買う食材は保存の利く缶詰になって、「一缶で4日分」みたいな生活になりました。白米と缶詰みたいな感じで。そんな生活でも缶詰が嫌いになるわけでなく「あー、俺って缶詰好きだったんだな」と改めて自覚したんです。
それから、ネットでブログが流行りだしたときに「この缶詰ばっか食べてる生活は記録したほうが面白いだろう」と、初めて客観的な視点を持って「缶詰blog」を始めたという流れです。
―― インターネットには結構昔から親しんでいたんですか?
黒川 自分のサイトを作るようになったのは2003年頃ですね。最初は「くらぶアミーゴ」という、都内を散歩する読み物や映画の批評なんかを載せたサイトを作っていました。ちょっと気合いを入れて長文をたくさん書いて、自分のプロフィールのコーナーも作ってみたいな、まあいわゆるホームページという感じでしたね。
それからすぐ、2004年に「井上和香がブログ人でブログをスタート」というニュースをみつけて、「ブログって何だ?」と興味を持ったんです。とりあえずやってみようと、同年4月に「くらぶアミーゴblog」を始め、6月に「缶詰blog」もスタートさせました。
―― サイトやブログを始めた頃はすでにフリーライターになられていたそうですね。サイト等は本業の営業ツールとして運営しているわけですか?
黒川 それはなかったですね。文章を書く練習になるかなという気持ちはありましたが、完全に趣味の範囲です。もともと物書きになりたいという気持ちがあって、証券会社で働いていたころから、営業をサボって喫茶店でノートに何か書いていたんですよね。そういう中途半端な状況は駄目だと思って、一念発起で会社を辞め、フリーライターになりました。
とはいえ、最初の頃はどうにも食べていけなかったので、副業として大工などをやりながら、夜にものを書く、という感じで。それでようやくライターだけで食べていけるようになったのはここ数年のことです。
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