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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第37回

ポメラの新機種「DM20」の「プレミアム」とはなにか?

2009年12月04日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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外観変化は少ないが「中身」の進化で
動作制限を大幅に緩和

 外観的な変更は以上なのだが、DM20は内部の仕様が、DM10に比べて大きく進化している。キーワードは「より本格的な文章作成を目指す」ということだ。

 DM10に関する不満は、主に編集・入力する上での「動作制限」が厳しいことにあった。例えば、DM10の内蔵メモリーで扱える文書のサイズは、「1文書8000文字以内×6文書まで」。正確に言えば、「1ファイル16KBまでのtxtファイルを、合計で約4万8000文字分まで」という制限があった。

 なにしろ内蔵ユーザーメモリーの容量は、ウェブの画像1枚にも満たない、たった108KBしかなかったのだから。microSDカードスロットを内蔵しており、こちらを利用すれば、総計文字数の制限は大きく緩和されたが、1文書8000文字の制限は変わらない。

 この制限は、ちょっとしたメモならば問題ない量だが、筆者のような職業ライターが使うには足りない。雑誌やウェブの記事を1本書くなら8000文字でも入るが、書籍を書こうと思うと厳しくなる。1冊まるごと1ファイルで編集、とはいわないが、せめて1章分(おおむね2万~3万字程度)は書けた方がありがたい。

 不満に思うのは、なにも職業ライターだけではないだろう。漏れ聞くところによれば、DM10は同人誌作家や自分史執筆を検討している年配の方にも売れたという。そういった人々も、「文字数にとらわれず長めの文章を一気に書きたい」、と思っていたのではないか。そもそも「制限」があるのは精神衛生上良くないもの。特に「狭い」という制約は、使用感を大きくそぐことになる。

 そこでDM20は、DM10から容量に関する制限を大きく緩和した。DM20の内蔵メモリーは、約89MBとぐっと大きくなった。1ファイルあたりの文字数制限は健在だが、8000文字から2万8000文字へと緩和されている。これならば、先ほど挙げた「1章分を書く」こともできるため、ずいぶんと楽になる。内蔵メモリーで管理できるファイルの数は、トータルで1000個まで、という制限があるのだが、こちらはファイル管理をこまめにすれば、さほど問題とならないだろう。

 文字数制限以外にも改善点は多い。特にうれしいのは、「電源を切った時のカーソル位置記憶」の機能がついた、ということだ。

 DM10は電源を切ると、直前のカーソル位置が失われていた。そのため、「どこを編集していたのか」を記憶し、すぐにそこから作業を再開するには、ポメラの持つ「付箋文」という機能を活用する必要があった。要は、電源を切る前に特殊な「キーワード」となる付箋文を埋め込んでおき、次に電源を入れた際には、まず「付箋文ジャンプ」機能を使い、そこまでカーソルを移動させる、という作業をしていたわけだ。これはさすがに使いづらい。

 DM20では、ついに「カーソル位置の記憶」ができるようになった。実際には、設定で「文頭」「文末」「電源オフ時のカーソル位置」の3つから選択することになるが、ほとんどの人は「電源オフ時のカーソル位置」を選択することだろう。

電源オフ時に、「カーソル位置の記憶」をしてくれる機能がついに搭載

電源オフ時に、「カーソル位置の記憶」をしてくれる機能がついに搭載。「文頭」「文末」「電源オフ時のカーソル位置」の3つから選択できる

 ポメラは元々、相当に非力な組込用LSIで動作している。DM10のさまざまな制限は、そのLSIの制限から来るものだったようだが、DM20では新しいLSIに変更されたようで、その結果、制限が減ったものと思われる。

 なお、カタログやニュースリリースなどではうたわれていないが、筆者は入力への反応速度も、DM20で若干速くなっているような印象を受けている。とはいえ、元々DM10も軽快だったので、ほとんど「気のせい」といえる程度の差でしかないが。

 ちなみに、搭載されている日本語変換ソフトは、DM10と同じく「ATOK」。バージョンは変わっていないが、「あいさつ文例」や「営業・マーケティング用語」など、30種類の追加辞書を組み込めるようになったので、変換効率が上がる人も出てくるはずだ。

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