職業ライターにはうれしい「自動改行」機能
DM10は、エディターとしてかなり絞り込んだ機能しか持っていなかった。DM20も考え方は同じで、決して多機能とはいえない。だが、多くの人が欲しいと思う機能が、いくつか追加されている。
中でも筆者がうれしかったのは、「自動改行設定」と「キーバインド設定」、「キー割付設定機能」だ。自動改行設定は、いわゆる「横何文字で書くか」という設定である。ポメラは文字サイズによって横方向の表示文字数が変わるのだが、DM10では、それを「任意の数」にすることができなかった。だから、「15字詰めの原稿を、改行位置などを考えながら書く」には向かなかった。
DM20は「自動改行設定」という形で、それを実現している。自動改行とは読んで字のごとく、特定の文字数まで来たら、自動的に改行する機能。表示上は「折り返し」しているように見えるが、処理的には「改行」だ。
自動改行設定をしたうえで文書を保存しようとすると、折り返し位置に「改行コードを入れて保存するか」と聞かれる。「はい」を選ぶと、自動改行設定をした文字数ごとに、改行コードが入ったテキストファイルができあがり、「いいえ」を選ぶと、段落改行の位置だけに改行コードが入ったテキストファイルになる。
ちょっと残念なのは、文書保存のたびに毎回選ばねばならないこと。設定でどちらにするかを決めておければ、保存時の手間がひとつ減って助かる。また、デフォルトでの選択肢は「はい」ではなく「いいえ」にしておいてほしい。間違って「はい」にすると、改行をとるのが大変になるからだ。
キーカスタマイズにも対応
「キーバインド設定」は、[Ctrl]キーと[caps/英数]キーを入れ替えるものだ。DM10と同じキーボードを採用しているDM20は、Ctrlキーが多くのパソコン用キーボードと同様、左下にある。
だが、比較的古くからパソコンを使っている人やMacユーザーの中には、「[caps/英数]キーの場所に[Ctrl]キーがあってほしい」と思う人もいる。実のところ筆者もそうだ。Windowsマシンを買うと、まずやることはキーカスタマイズ・ユーティリティーを使い、[Ctrl]と[caps/英数]を入れ替えることである。これは、筆者のような一部の人にとっては「キラー」かも知れない。
似たような機能として「キー割付設定機能」があるが、こちらは[ins]キーと[前候補]キーに、好きなキーの機能を割り当てるものだ。どちらも使う人が少ないキーのわりに、押してしまうと入力状態が変移してしまうため、考えようによってはトラブルの元でもある。
そこで、別のキーに割り当て、もっと便利に使えるようにしてしまおう、という考え方の機能といえる。筆者は[ins]を[del]に、[前候補]を[半角/全角]にしてみた。
ポメラのような製品を使う人は、こうした「キータイプの効率化」に気を使う人が多い。だからこそDM20では、要望が多い「キーの入れ替え」に対応したのだろう。
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