2013年、「International CES」からマイクロソフトの姿が消えたことで、CESからはPCの色が特に薄まってきた。だがその中でレノボは、例年通り、CES主会場の外のレストランに、大きなプライベートブースを設ける方針を継続した。
日本ではPCだけを展開しているレノボだが、他国(特に中国)ではテレビやスマートフォンといった、幅広い商品ラインナップを展開している。またPCについても、IdeaPad系とThinkPad系という、毛色の異なるラインナップを持つメーカーでもある。
レノボは各プロダクト、そして各地域での戦略をどのように見ているのだろうか? 同社でプロダクトグループの上級副社長を務めるピーター・ホテンシャス(Peter Hortensius)氏に、2012年の状況と、2013年に狙うものを聞いた。
タッチ市場は「堅調」
大型ディスプレー製品は伸びる
--2012年はWindows 8が発売され、PC市場が大きく変わりました。2012年のホリデーシーズンの状況をどう分析していますか?
ホテンシャス「レノボは非常に多くの製品をローンチしました。それぞれがWindows 8の機能を生かすための、特徴的な機能を備えたものです。いくつもの『変形型』(コンバーチブル)プロダクトを用意しました。例えば、この『Yoga』もそうですね。一般的にいって、どの製品もとても良い結果を得られています。伝統的な形状のノートブックについても、市場トレンドに合わせた量が売れていますね」
--タッチ(対応PC)と伝統的なクラムシェルノートとでは、これからどちらが主軸になりそうだと考えていますか? 他社の関係者は、Windows 8の状況に満足していないようです。特にタッチ対応製品の売り上げに不満であるようです。レノボとしてはどうでしょうか?
ホテンシャス「明確に、どのような製品エリアにどう顧客が期待をもっているか、によります。タッチ製品そのものは市場が伸びています」
「確かにタッチ対応の製品は、一般的な製品に比べて高価です。これは特に、サプライチェーンチャンネルの問題です。しかし我々は、いくつものタッチ対応製品を用意しました。我々は、競合他社が考えるよりもっと多くの製品を、現状売ることができています。ですから、結果には満足していますよ」
--タッチ対応製品を作るためには、いろいろなOSが存在します。Windows 8にWindows RT、そしてAndroidも。レノボとしては、それらのOSの使い分けをどう考えていますか?
ホテンシャス「それぞれのOSでタブレット製品を出していますが、まったく違う特質のものを、違う市場に提供しているつもりです。それぞれの違いというのは、パフォーマンスの面でも、市場の面でも明確です。特にAndroidについては、価格の点で違いがとても大きいのです。それぞれをどのようなバランスで出すかは、市場の状況も含め判断することになります」

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