気になるWindows 7 Starterの制限
ハードウェア上での使い勝手は、XP時代のBL300から変わっていない。パール塗装の筐体に、キーピッチ17mm、キーストローク2mmのキーボードを搭載する。キータッチの感触はそこそこ安定しており、長文の入力も快適である。本体外装が光沢仕上げのため、皮脂よごれや細かな傷が付くのが心配だが、価格を考えれば相応以上に見える。
3セルの付属標準バッテリーで約3.9時間動くのだが(オプションの大容量バッテリーで最大8.3時間)、約4.2時間のバッテリー駆動が可能だった旧BL300と比べると、ややスペックダウンと言えそうだ。
ハードウェアの差異がないのだから、おのずとOSの使い勝手の違いに目が向く。Windows 7 Starterは、上位版のWindows 7 Home Premiumと比べて、以下のような点が異なる(詳細は関連記事参照)。
- Windows Aeroが使えない
- 背景(壁紙)やウインドウ枠の配色が変えられない
- DVD再生機能(付属のmpeg2コーデック)がない
- タッチセンサーやマルチタッチ機能に非対応
- マルチディスプレーが使えない
- 新機能「ホームネットワーク」が使えない
中でも気になるのが、デスクトップまわりの制限だ。Windows AeroやDVD再生は、ネットブックのスペックでは諦められる。しかし、狭く低解像度の画面だからこそ、壁紙を変えたりウインドウ枠のデザインを変えたりして、視認性を高めたいものだ。
特に「壁紙が固定」という点は、多くのユーザーから不興を買っている。一部のメーカーは独自のユーティリティーで、壁紙を変えられるようにしたネットブックを出荷しているのだが、LaVie Lightには、そういったツールは付属しない。擬似的に背景に画像を表示するフリーソフトを制作しているソフトウェア開発者もいる。「むりかべ for Windows 7 Starter Edition(ベータ版)」(作:猶原弘晃氏)はそのひとつだ。なお、「Windowsクラシック」などWindows 2000以前の古いデザインを選択すれば、背景やウインドウの配色などは、ある程度カスタマイズ可能になる。
Windows 7 Starterは制限ばかりが目につくのだが、一方で、「Windows Media Player 12」にMPEG-4動画(AVC/H.264デコード)の再生機能が標準搭載されているのは、なかなかうれしい。試しにアニメコンテンツ(H.264でエンコード)を連続再生させてみたが、CPU負荷は40%程度で推移しており、比較的非力なCPUなのにコマ落ちなどは見られなかった。
YouTubeの動画再生では、インターネット接続に使っている無線LAN機能などの負荷が加わるが、それでもCPU負荷は平均して60%程度である。
懸念していたフレーム落ちによるレスポンスの遅延などもなく、LaVie Light BL330でのWindows 7 Starter利用は、なかなかに快適であった。
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