iPodからウォークマンへの移行の道は険しい
もちろんジュークボックスソフトとしてx-アプリを利用し、さらにダウンロード販売サービスもx-アプリから利用できる「Mora」を使えば、こうした手間も不要になる。実際、初期のSonicStageに比べると現在のx-アプリの使い勝手は格段に向上しており、また楽曲を自動的に解析して、場面に合わせた選曲をしてくれる「おまかせチャンネル」など、iTunesにはない魅力もある。
ただ筆者の環境では、x-アプリに完全に乗り換えることができない。WindowsがインストールされたPCに加えてMacを常用しているのだが、残念ながらMac版のx-アプリは提供されていないからだ。
また、x-アプリはAACに対応しているはずだが、なぜかiTunesを使ってリッピングしたAACファイルをドラッグ&ドロップで登録しようとすると、「ファイルが壊れている、または対応していないフォーマット云々」と表示されて取り込むことができなかった。もちろんiTunes上では何ら問題なく再生可能で、NW-X1060にドラッグ&ドロップで転送しても再生できるファイルである。こうした部分を見ると、まだまだ改善の余地があると感じてしまう。
このようにiTunesで築いた環境をそっくり引き継ぐことができず、x-アプリの利用にも不安が残る。このため、携帯型オーディオプレーヤーを完全にiPodからウォークマンへ移行することには躊躇するというのが正直な感想である。
ウォークマンはクラシック専用機に!?
ハードウェアとしてのNW-X1000/NW-A840シリーズに大きな魅力を感じているのは事実。そのため、著作権保護付きの楽曲の再生はあきらめ、CDで購入してリッピングした曲、あるいはiTunes Storeで購入したDRMフリーの曲を中心に利用するセカンドマシンとして利用するのはアリではないかと考えているところである。また、クラシック系はDRMフリーとして販売されているものが多いので、ウォークマンをクラシック専用機として使うといったこも考えられる。
iTunes StoreやMoraといったダウンロード販売サービスにおいて、DRMフリーが当たり前になれば、携帯型オーディオプレーヤーの種類を問わずにお気に入りのハードウェアを使ってダウンロードした楽曲を再生できるようになる。一日も早く、そうした時代が到来することを祈るばかりである。
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