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SUPER GTに痛車が参戦! 初音ミクZ4密着レポート 第34回

ミクZ4の快走に阿蘇山も萌えた! SGT第8戦は10位完走!

2009年10月20日 21時19分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 写真●加藤智充、水野智子、編集部

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関係者インタビュー

星名代表

 ここのところ、こちらの想定してたこととうまく噛み合わないということが続きました。例えば、ニューエンジンにしたSUGOはトラブルシューティングかなと思ったら意外と完走できてしまい、逆にイケルと思った鈴鹿と富士で連続リタイヤしてしまい、チームのムードも悪くなってたんです。だから、ここでなんとか流れを変えたかった。それが番場選手の起用でした。

今回も金曜日からマイナートラブルは出ていたんですが心配するほどでもなく、レース中もまったくトラブルなしで走りきってくれました。ようやくSUPER GTというレースで、それなりの戦いができるようになりましたね。次のもてぎまでにどうするかは、これからエンジンを開けてみてから決めます。今回痛感したのがトルク不足で、GT500と絡んだときやコーリングの立ち上がりで他のクルマに置いて行かれてます。もうミクZ4は直線番長ではなく、最高速度も予選では下から4番目くらいでした。でもパワーとトルクを上げていけばもっと戦えるはず! この流れのまま、最終戦のもてぎを迎えたいですね!

鈴木監督

 前戦のリタイヤがチーム全体に与えたダメージは思ったよりも深くて。前に向かうための手段として、今回のファーストドライバーの変更ということになりました。なりふりかまわずに結果を出さなければいけない。それだけオートポリスは大事なレースだったんです。そこで10位というのは、ずっと求めていた結果ですし、すべてがうまくいかなかった富士に対して、すべてがうまくいったかな、と。マイナートラブルが金曜日のうちに見つかったのもついてましたね。悪い流れをようやく変えることができました。

 チームがとった作戦的にも、残りの5周くらいでドラマがあると思っていて、他のチームは早めにピットに入りましたけど、ウチはできるだけ引っ張って、後半、他のマシンのタイヤがタレてくるあたりが勝負だろうと。そんな作戦がうまくハマったみたいで良かったです。番場選手も鈴鹿で見せてくれたパフォーマンスを発揮して、しっかり結果を出してくれて。元気なドライブの番場選手と堅実なドライブの田ヶ原選手と対照的ですが、それがよかったのかもしれませんね。個人的には一番良いレースになりました。

 また、ここまでミクZ4を育ててくれた菊地選手にもお礼を言いたいです。最終戦は応援シートもあることですし、みんなの前で今回以上の戦いを見せたいと思っています。

番場選手

 鈴鹿で乗せてもらったときにクルマのポテンシャルはハッキリと感じたので、今回本当はスーパーラップに行くつもりだったんですけどねえ。オートポリスとミクZ4の相性があんまりよくなくて、予選までになんとか間に合わせようと思ったんですが……。それでも片山さんが僕の要望をできるだけ聞いてくれて、予選は自分が想定してたタイムより、良いタイムを出すことができました。だけど、レースは一発の出るクルマと長く走れるクルマは違うので、決勝前までいろいろと話し合いましたね。

 決勝最初のランボ軍団との混戦はすべてが裏目に出ちゃって、抜こうと思っていったら寄せられ、そこでスローダウンしたスキに別のクルマに前に出られてしまいました。GT500を抜かせるときも同様で、一緒に抜かれちゃったりね。それでも何台かは抜いたんですけど、最後のほうはピットに入るタイミングでしか抜けなかったのが残念です。

 後半はタイヤが結構厳しかったけど、それでもセッティングのおかげか、かなりもったと思います。完全にタレちゃうとコースに留まるだけで精一杯になるので。次はもてぎですが、個人的にはこのサーキットはあまり好きじゃないんです。でも結果が出せるサーキットでもあります。なぜか相性がいいんでしょうね。僕のドライビングスタイルと合ってるのかなと。ぜひノックダウンの予選を最後まで残りたいですね!

田ヶ原選手

 走行データのないオートポリスでしたが、片山エンジニアをはじめ、メカのみなさんが素晴らしいクルマに仕上げてくれました。正直、厳しいかな~と思っていたんですが、お陰様で10位という成績で終わることができて良かったです。今回、番場選手が来てくれて、改めて彼の情報力というのがチームに必要だったんだと思いましたし、そこで流れが変わって、噛み合ったんじゃないかと。去年の今頃は完走すらままならなかったですが、1年でやっとSUPER GTというレースの中盤くらいで戦えるようになったんじゃないでしょうか。

 これまで、僕がまったく走れないこともあったし、同じクラスのマシンに抜かれ抜かれてとても悔しい思いをしてきました。それでもここまでやってこれたのは、スポンサーの方々、チームスタッフ、そしてファン、個人スポンサーの方たちのおかげです! ここまで愛されているチームはないんじゃないかな。ただ、参戦当初から1年間、共に戦ってきた菊地選手がこの場にいないというのは、個人的には残念ですね。彼が苦労してくれたおかげで、今のミクZ4があると言っても過言ではないですし、間違いなくチームに貢献していたので、とても感謝しています。

(次ページへ続く)

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