ファイルの種類ごとやメールソフトだけなど、
必要に応じた細かいバックアップが可能
初期設定でバックアップデータは圧縮されるが、さらに高い圧縮率でよりコンパクトにすることも可能だ(もちろん、処理時間は長くなる)。筆者のテスト環境でチェックしたところ、「通常」圧縮で約160GBのデータが、「高」では約140GB、「最高」では約136GBになった。また、パソコンで作業中にバックアップする場合、処理の優先度やHDDへの書き込み速度を制限する機能もある。パソコンの性能が低い場合には利用してもよいだろう。
ファイルやフォルダーを指定してバックアップする機能も、Windows標準の機能よりも使いやすい。例えば、ドキュメントや画像といったファイル形式(拡張子)を選んでバックアップしたり、自分で新しいカテゴリー(カスタムファイルタイプ)を作成し、該当するファイルだけをバックアップできる。これを使えば、ExcelやWordのファイルだけを特定の場所に保存する、といったことが可能だ。
Windowsが不調になったときに元の状態へ戻すなら、「システムの状態」をバックアップする。また、ウェブブラウザーやオフィスソフト、Windows Media Playerなどのソフトウェア設定をバックアップするなら「アプリケーションの設定」をバックアップすればいい。
電子メールもバックアップできる。画面上では「メールアカウントとアドレス帳をバックアップします」とだけ表示されているが、送受信メールのデータも保存できる。対応しているメールソフトは、Outlook 2000/2002/2003/2007、Outlook Express、Windowsメール。Windows Liveメールには対応していないが、Windows 7への対応を予定しているので、近いうちにサポートすると思われる。
バックアップデータは容量が多いので、差分・増分バックアップを駆使しても、すぐにHDDがいっぱいになってしまう。バックアップデータの容量を抑えるなら、「自動統合」機能を利用しよう。保存回数や期間、容量が指定した数値を超えた場合に、古いバックアップデータをひとつにまとめて、データを小さくできる。
メーカー製パソコンのリカバリー領域のように、Windows上から見えない「Acronisセキュアゾーン」というパーティションを作成し、そこにバックアップデータを保存する機能もある。再起動せずに、Windows上から作成できるのが便利だ。
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