AMDは22日、デスクトップパソコン向けのグラフィックスチップ(GPU)、「Radeon HD 6870」「Radeon HD 6850」を発表した。同日から搭載製品が発売される予定。
Radeon HD 6800シリーズは、コード名「Northern Islands」と呼ばれていた、同社製品ではDirectX 11に対応する2世代目のGPUのひとつで、「ミドルハイ」と呼ばれるハイエンド寄り製品に位置する。製品のコード名は「Barts」で、6000シリーズにはほかに、ハイエンドGPU「Radeon HD 6970」「Radeon HD 6950」(コード名Cayman)と、6900シリーズ2個を1枚のカード上に実装したデュアルGPU製品「Radeon HD 6990」(コード名Antilles)の登場も予告されている。なお、Radeon HD 6970/6950は11月第3週頃、Radeon HD 6990は2010年内に登場の予定とのこと。
6800シリーズの特徴は、5800シリーズの基本構造を踏襲しながら、性能強化と低消費電力化を実現した点にある。デュアルコアCPUのように、基本となる要素が2つ並んで1つのダイに収まっていた5800シリーズの構造はそのまま踏襲。SIMDエンジン(SIMDコア)の内部構造や256bitメモリーインターフェースとその周辺も、基本的に継承しているようだ。6870と6850の違いは、SIMDエンジンの数や動作周波数などによる。製造プロセスは40nm。
Radeon HD 6870 | Radeon HD 6850 | |
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演算性能 | 2.0 TFLOPS | 1.5 TFLOPS |
Stream Processor | 1120 | 960 |
コア動作周波数 | 900MHz | 775MHz |
ROP | 32 | |
ビデオメモリ | GDDR5 1GB | |
メモリーバンド幅 | 4.2Gbps 256bit | 4.0Gbps 256bit |
最大/アイドル時消費電力 | 151W/19W | 127W/19W |
電源コネクタ | 6ピン×2 | 6ピン×1 |
映像出力 | DVI×2、mini DisplayPort(1.2)×2、HDMI 1.4 |
Radeon HD 5850と比べて、製造プロセスは同じでSIMDエンジン数が削減されているにも関わらず、内部の改良と高クロック化により、全般的な性能は向上しているという。そのうえで、アイドル時消費電力は19Wと、ミドルレンジクラスのGPUとしては驚くほど低い値を実現している。