友達からレンズを安く譲ってもらった。85mmF1.8という単焦点レンズ(ニコン Ai AF Nikkor 85mm F1.8D)だ。猫専用レンズである。ちょっと暗い場所でも猫をしっかり撮れるレンズが欲しかったのである。
85mmとちょっと望遠気味なので2~3mの距離を保ったまま猫を撮れる。F1.8と明るいので背景を大きくぼけさせられるし、暗い場所でも撮れる。しかも、単焦点レンズなのでコンパクトで軽くて安い。
さっそく「いつもはISO 1600でしか撮れない鬱蒼とした暗い公園で試し撮り」してみた。ああ、もっとはやく手に入れておけばよかった。
ここで「レンズの明るさ」についてちょっと触れておきたい。今回は真面目なカメラの話である。
カメラの世界では「2倍」を「1段」と呼ぶ。ISO感度を100から200にすると2倍なので「感度を1段上げる」というのだ。感度を1段上げると、シャッタースピードを1段下げられる=シャッタースピードが半分になる。ISO 100では1/30秒でしか切れない明るさでも、ISO 200にすれば1/60秒で撮れる。でも、ISO感度を上げすぎると画質が落ちてしまう。
そこで明るいレンズの登場だ。レンズの明るさは「F1.8」というように「F」をつけて表すので「F値」(あるいは絞り値)と呼んでいる。F値がややこしいのは、1段が「√2」倍であることと、数字が小さいほど明るいということ。
例えば、お手頃なズームレンズ(まあ、普通に数万円で買えるズームレンズ)は85mmだとだいたいF4.0~5.6くらいの明るさになる。
仮にF5.6としよう。5.6の1段下は4.0、その1段下は2.8、その1段下は2.0。F5.6とF2.0は「3段」違うのだ。F1.8だとそれよりもうちょっと明るい(具体的には、3と1/3段明るい)。
3段違うと、1/30秒でしか撮れなかった場所でも1/125秒(微妙に2倍じゃないけど、細かいことは気にしないでください)でいける。これが超デカいのだ。
この連載の記事
-
第898回
デジカメ
スマホカメラは年々レベルアップ! ハイエンド機で撮った猫写真で2024年を振り返ってみた -
第897回
デジカメ
ミニドローン「HOVERAir X1 Smart」で猫と遊んでみた! 猫は興味津々で画質もなかなかいい -
第896回
デジカメ
速いAFのおかげで撮りやすい! チャーミングでほほえましい猫のあくびの瞬間を集めてみた -
第895回
デジカメ
ニコン「Z50II」はベーシックながら動く猫もしっかり撮れる“ちょうどいい”ミラーレス一眼だ -
第894回
デジカメ
寒くなる折、猫が気持ちよさそうに撫でられてる暖かそうな“ほっこり写真”を集めてみた -
第893回
デジカメ
さすがフラッグシップ! キヤノン「EOS R1」は猫の一番いい瞬間をピシッと撮ってくれた -
第892回
デジカメ
ライカ風の画作りが楽しめる「Xiaomi 14T Pro」 動いてる猫もブレずに撮れて独自のフィルターも効果的! -
第891回
デジカメ
軽くて小さい富士フイルム「X-M5」が登場! いろんな猫をいろんな「フィルムシミュレーション」で撮ってみた -
第890回
デジカメ
プロ向け動画カメラ、パナソニック「LUMIX DC-GH7」の4K動画から一番カワイイ瞬間を切り出した! -
第889回
デジカメ
ズーム操作も快適! 機動力が高い「iPhone 16 Pro」のカメラコントロールで秋の外猫を望遠撮影 -
第888回
デジカメ
予定よりも早く届いた「iPhone 16 Pro」 2倍&5倍望遠や「カメラコントロール」を使って猫撮影 - この連載の一覧へ