10万人を超す日本人がいると言われる、海外最大の日本人居住都市にして、中国最大&最先端の商業都市「上海」。北京の電脳街が東京・秋葉原や大阪・日本橋に例えられるなら、上海の電脳街は、ソフマップやドスパラなど、パソコン専門ショップがある一方で家電量販店がひしめき合う新宿や横浜などに例えられる。
つまり、上海に行けば、パソコン関連のみを扱う純粋な電脳街と、中国を代表する家電量販店を同時に何店も見られる、一石二鳥の場所なのだ。
上海の代表的な電脳街「徐家匯」
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「北京=天安門広場」や「=万里の長城」という公式が頭に浮かぶ人に対し、上海というのは、中国に興味のある人や仕事でという人だけであろう。
知っている景色といえば、川を隔てて見える近未来的なビル群と「東方明珠塔」という名の塔だろうか。近未来ビル群があるのは上海の新市街「浦東地区」で、川を隔てた反対側が味のある下町風情の雰囲気が残る「浦西地区」である。そして「浦東地区」「浦西地区」両方にそれぞれひとつずつ大きな電脳街がある。
上海の電脳街の代表格が、浦西地区の「徐家匯」(シージャーフイと発音する)。地下鉄が通っているほか、上海市内各地へのバスが発着する交通の要所で、中心となる五叉路には、パソコンショップが多数入る電脳ビルが数棟と、米国からの黒船家電量販店「Best Buy」、中国2大家電量販店のひとつ「国美電器」などがあり、さらにいくつかのデパートが林立する。
電脳ビルは「美羅城」と「太平洋数碼一期」、「太平洋数碼二期」の3棟だが、「太平洋~」が純粋なパソコンパーツショップなどが入る電脳ビルに対し、「美羅城」は総合ショッピングビルで、レストランや書店やゲームセンターまで様々な店が入っている。
つまりは今時の上海消費者事情を肌で感じるのに格好の場所なのだ。古くから電脳街として知られているだけに、外国人客も多く、各ショップの対外国人接客も慣れたもの。買う意志を見せれば丁寧にあれこれ教えてくれる。ただし言い値で素直に買わず、値段交渉はすべし。
アクセスは地下鉄1号線「徐家匯」の真上。一部ビルは地下鉄駅に直結している。

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