筆者が滞在する、とある中国の内陸の大都市で、リニューアルオープン後、3日間限りの大バーゲンを行なう家電量販店がある、という話を聞いた。結構値引きがあるかも、なので、白物家電やパソコンがバーゲン価格なら買ってみようという思いをひっさげて行ってみた。
中国でもめったにない大セール
中国のマーケット用語に、一級城市(都市)~四級城市という言葉がある。一級城市は上海や北京や深センなどの中国を代表する都市、二級城市は省都クラスの規模の都市で、ここまでは日本の感性でも充分に大都市だ。
三級城市、四級城市は二級城市よりも小さな都市をいう。最近は中国のパソコン業界にしろ家電業界にしろ、メーカーにしろ量販店にしろ、一級都市、二級都市は買いたい人にモノが行き渡っていてあまり売れないと聞くし、加えて販売店は競争が激しいし、テナント料は高いしで商売あがったりだという。実際、各大都市の電脳街は夏休みシーズンだというのに、最もパソコンに触れる世代の大学生の姿は以前より少ないように感じる。
ところがどっこい、筆者が訪ねた二級城市の家電量販店のリニューアルオープンには結構な人が押し寄せていた。この家電量販店、中国の家電量販店の両雄「国美電器」とラオックスを買収した「蘇寧電器」に比べれば規模はだいぶ負けるのだが、この数日間だけはどの家電量販店よりも元気だった。
リニューアルオープンセールの目玉は価格だった。3000元(約4万2000円)以上の商品を購入すると、400元分(約5600円)のキャッシュバックがあり、さらにセール期間中3000元以上の商品を購入することで400元分値引きするチケットがもらえる。3000元以下の場合、キャッシュバックと他商品値引きチケットはそれぞれ150元(約2100円)となるが、何にしても中国でも普段なかなか見かけないほどの太っ腹なセールをその量販店は行なっていた。
実際、人気の液晶テレビから白物家電までいくつかの商品の値段をチェックしたが、値引き後の価格は、オンラインショッピングサイトの最安値をゆうに凌ぐ低価格だった。利用客は20~30代も多いが、口コミで集まってきたのだろう、普段はあまり家電量販店で見ない40代以上の機械音痴な文革以前の世代の人々も多くいたのは珍しい光景だった。
そんなわけで店もこの日だけは気合いが入っていて、値引きだけでなく、例えば販売員もいつも以上に商品の説明に熱心だったり、店のスタッフが巡回し紙コップのジュースやお茶を商談中の客やウィンドウショッピングをしている客に配ったりと、売ろう!という気持ちをひしひしと感じた。
安いときを見計らって、中国の普通の人々は家電を見に来る。北京五輪直前には「液晶テレビやプラズマテレビの買換え特需があるのでは」なんて期待されたが、結局国美電器の店舗も蘇寧電器の店舗も、客よりも店員のほうが多いという結果だった。だからこそ、今回の人の多さはいかに中国の庶民にとっては「安価・お得感のみが買い時」であるかがわかるというもの。
ただ、全ての人が何かしら買っていたたわけではなく、香港ディズニーランドよろしく、各メーカーのテレビ販売コーナーやホームシアターの試聴コーナーで座ってのんびりする人もいっぱいいた。
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