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LanScope Cat6が勝ち残ってきた競争力の源泉を探る

あまり自慢したくない? エムオーテックス本社へ潜入

2009年06月22日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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4800社380万ユーザー(2009年6月時点)を誇るセキュリティ管理ツール「LanScope Cat」シリーズを手がけるエムオーテックス。いろんな意味でユニークな会社ではあるが、今回はこれまたユニークな本社にも潜入してきた

ログ管理を軸にユニークなソフトウェアを作る

 エムオーテックスは、1990年に設立されたソフトウェア会社で、セキュリティ管理ツール「LanSoopeシリーズ」を展開している。始まった当初はパケットモニタツールだったが、1996年からはセキュリティ管理ツール「LanScope Cat」を手がけ始め、当時あまりなかった資産管理やログ管理などの機能を磨いてきた。

 LanScope Catも当初、あまり注目されなかったが、住基ネットのスタートや個人情報保護法の施行によって徐々にユーザーが増え始めた。「ここ2~3年で(4800社中)一挙に3000社くらいが顧客になりました」(エムオーテックス株式会社 営業部 部長 山岸恒之氏)とポッと出のベンダーとの違いを強調する。確かに、ここ数年の情報漏えい対策や内部統制への関心は高く、多くの会社でIT予算が削減されている昨今でも、そのニーズは低落するものでもないようだ。

エムオーテックス株式会社 営業部 部長 山岸恒之氏

 同社の製品の基本は、コンピュータでログを収集し、それを検索し、ユーザーに可視化するというステップである。場合によっては、単に可視化するだけではなく、警告とか、アラートといったレベルの判断まで行なう。ログを解析することで、LanScope Cat6では情報漏えいやコンプライアンス違反につながる操作を検知する。また、同社はLanScope Cat6のほかにメール管理の「Guard3」、グループウェア「Eco2」などを手がけているが、これらも基本的にはクライアントPCやサーバで収集したログを活用するという処理だ。Guard3では営業ツール的な観点でメールのコネクションを管理する。そしてEco2ではログからコミュニケーションや操作の履歴を追うことで、レポート作成や業務プロセスの改善を行なう。

 10年前、ログは単にとっておけばよいという時代だったが、今では「監査」という役割がITの世界でも重要になり、LanScope Catの実力がようやく正当評価されるようになったという。「もちろん新規参入するベンダーもありますが、現在の潤沢なリソースで開発しているベンダーの製品は古いマシンで軽快に動いたりしないでしょう」(山岸氏)と、歴史を積み重ねてきた実績を強調する。

エムオーテックス大阪本社に潜入

 さて、今回は2007年に完成した新大阪本社ビルを取材させてもらった。新大阪本社ビルは地上11階、地下1階で完成まで約20ヶ月かかった自信作。自社ビルの地下がJAZZのライブハウスになっている段階で、通常のオフィスとは一線を画すことがわかるだろう。写真で見ていこう。

広々とした1階のエントランス

広々とした1階のエントランス

過去に販売された製品がずらりと並んでいる

過去に販売された製品がずらりと並んでいる

エントランスの奥にはなぜかポルシェのシートだけが鎮座している

エントランスの奥にはなぜかポルシェのシートだけが鎮座している

目の前のプレートには「本物のポルシェを買えるような会社にしてください」という創業時の逸話が……

目の前のプレートには「本物のポルシェを買えるような会社にしてください」という創業時の逸話が……

2階と3階をぶちぬく巨大なホール。200人入り、社員総会やセミナーで使われる

2階と3階をぶちぬく巨大なホール。200人入り、社員総会やセミナーで使われる

社内用のミーティングスペースもいろいろ用意されている。プレゼンなどを行なえる

社内用のミーティングスペースもいろいろ用意されている。プレゼンなどを行なえる

(次ページ、「エムオーテックス大阪本社に潜入-続き-)


 

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