エムオーテックス大阪本社に潜入-続き-
このようになかなかしゃれたオフィスで、過去には「日経ニューオフィス賞」なども受賞しているという。先進的なIT技術を盛り込んだというより、あくまで従業員のやる気やモチベーションを上げるために設計され、「いい意味で無駄な空間を作っている」という感じだ。写真にはないが、実は会議室やトイレもかなりスタイリッシュで、愛着のわきそうな空間に仕上がっている。
せっかくなので、マスコミなどを呼んでアピールすればいいのにと提案したところ、お客さんがコスト削減で大変な折りに自慢するようにオフィスを見せるのは、会社のポリシーに反するとのこと。というので、今後も積極的に見せる予定はないようだ。なんだかもったいない気がするのは私だけだろうか。
カタログ作成に社長の目が光る!巧妙な製品の見せ方
もう1つ同社がうまいなと思うのが、巧妙な製品の見せ方である。現在、情報漏えい対策や内部統制関連のソフトウェア市場は年々拡大し、新規参入も相次いでいる。こうした中、同社が成長を続けられる理由の1つには、この製品の見せ方があると思う。
たとえば、同社のWebサイトやカタログにはストレートな表現が並ぶ。「コスト削減」や「業務効率の改善」とか、もっと直球に「儲かる」など、製品のメッセージはきわめて明確だ。
また、同社が作成しているマニュアルやセミナー資料、あるいは隔月で発行している「LanScope News」など紙媒体を見たことがある人は、そのクオリティに驚くはずだ。カラーの図版や画面説明を惜しみなく挿入し、ユーザー視点で説明するこれらの紙媒体は、紙媒体に関わってきた私にとっても、学ぶべきところが多い。
「カタログの監修は社長自らがやっており、お客様にわかりやすいという点は誇れると思います。ベンダー側の自慢ではなく、エムオーテックスがなにを考えてこうした機能を作ったのか、明確になっています」(山岸氏)という作り手の意図が反映されている。ただですら難しい情報漏えい対策や内部統制といったテーマを英語の略語でオブラートにくるむような外資系に見習ってもらいたいところだ。
さて、同社は先頃LanScope Cat6の新バージョンを投入し、仮想化やServer 2008対応のほか、サーバ監視機能を強化した。また、6月にはメール管理システム「LanScope Guard3」をリリースし、同社自慢のコネクション解析機能に磨きをかけている。当分は、同社の快進撃が続きそうだ。