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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第75回

au向けのYahoo!地図アプリはカーナビ連動で差を付ける

2009年06月02日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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「CGM」と「娘」にナビされる時代がやってくる!?

 この路線・地図アプリとカーナビを連携させるもう1つのメリットは、ウェブ上で常に更新されている最新の地図情報と、ユーザーが作り上げて行くCGMの地域情報をカーナビと連携させながら活用できるようになる点だ。ヤフー株式会社でYahoo!地図・路線担当のプロダクトマネージャーを務める来田宜之氏に話を聞いた。

 「地図情報の入手は、一般的な情報に加えて、ユーザー投稿を情報源にしています。『みんなでつくろうYahoo!地図情報』では、地図の修正依頼を投稿できます。カーナビの情報は購入した時点のモノで何年も使っていると古くなります。また、お店の評価情報までは含まれていないのです」(来田氏)

 これまで地図は、提供されたモノを使うことが基本であった一方で、教育テレビの番組「探検!ぼくのまち」のように、自分たちで地図を作り上げる面白さもまた、小学校の社会科の授業などで経験した事がある人も多いだろう。そんな地域情報をCGMで作り上げて活用する仕組みをYahoo!地図にそなえ、PCやケータイだけでなく、活用の幅をカーナビにも広げた点で、ユニークかつ可能性を感じる。

 また助光氏は、カーナビをケータイから操作できるようになり、ルート設定をする人が変わるかもしれない、と指摘する。

 「今まではカーナビを操作するのはお父さんで、何となく行き先やルートを決める主導権を握ってきました。しかしこれからは、一緒に乗り合わせる娘が、ケータイで行き先をプランするようになるかもしれません。ドライバーの意志から、同乗者の意志が強くなるかたちで、ドライブという休日の過ごし方が変わるかもしれません」(助光氏)

 CGMを通じて地図を自分たちで作って共有し、娘にナビされる時代。ケータイが与えたドライブへの変化は、ケータイという情報手段が与える変化の一面を切り取ってくれている。またウェブによって場所性に関係なく情報を入出力できるようになったが、一方で、非常に場所に特化した情報手段もまた、変化の兆しを見せている。

筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性に付いて探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET


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