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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第75回

au向けのYahoo!地図アプリはカーナビ連動で差を付ける

2009年06月02日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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路線・地図アプリ

【今週の1枚】au向けEZアプリ「路線・地図アプリ」から、トヨタのディーラー装着オプションのBluetooth対応カーナビへの連携画面。カーナビを操作することなく、ケータイのアプリから簡単に目的地設定ができる

 5月28日ヤフーは同社としては初めてBREWで作られたEZアプリ「路線・地図アプリ」をリリースした。地図や路線検索からルート案内などのマン・ナビゲーションまで使えて無料という非常に便利なツールだ。地図以外にグルメの情報を自分の場所から検索できるほか、特に注目なのはトヨタ自動車のディーラーオプションで用意される純正カーナビとの連携を実現する点である。

ケータイと地図は非常に親和性が高い

 GPS内蔵のケータイを使い始めて、多くの人が「GPSが便利だ!」と体験できる場面は、これまで経験のない場所に行くときだろう。そうではなくオンライン地図サービスや案内地図をプリントアウトする人も多いが、紙の天地をぐるぐるしながら立ち往生している場面を見かける。これでは明らかに力不足なのだ。

iPhoneのマップ

これはiPhoneのマップ。表示しているエリアからの検索はすぐに可能で、渋滞情報や経路検索なども簡単に表示できる

 iPhoneを手にしてニューヨークに行ったとき、地図をモバイル端末で利用することの可能性を強く感じた(関連記事)。GPSで自分の位置が表示され、自在に拡大・縮小が出来る。「Chinese Food」で検索すれば、自分の周りに赤いピンが立つ。このとき、近い将来紙の地図をデジタルの地図が完全にリプレイスすると感じた。

 また日本でもリリースされたAndroid端末には地磁気センサーが入っており、自分が向く方向と地図の向きを合わせてくれる。カーナビで言うところの「ヘディングアップ」だ。自分が今どちらの方向を向いているのかが、手元の端末でキチンと把握できるようになる。視認性と可搬性で優れていた紙の地図は、実用性でデジタルに追い越されようとしている。

 KDDIはGPS内蔵端末を増やし続け、これを活用するアプリケーションを多数導入している。例えば「au SmartSports」も、GPSを活用してジョギングなどの運動を測るアプリの1つだが、以前から提供されていたのが、EZナビウォークやEZ助手席ナビである。歩行者用ナビやカーナビを、ケータイのGPSと通信によって実現しているのだ。

 KDDI以外のキャリアでも、地図アプリをプリセットして、地図検索からナビゲーションへ結びつける使い勝手を提供している。過去にもiコンシェルの記事で触れたように(関連記事)、サーバー上で電話番号から住所を補完し、ケータイの電話帳から地図検索が出来る仕組みは、気になって番号だけ控えた店に実際に行くときに便利だ。

 人と一緒に動くケータイから、今自分がいる場所の環境情報を知ることが出来る地図を調べる、活用する。これは、位置情報をコミュニケーションで生かす最も簡単な方法であり、自分がフィジカルにいる場所が検索キーになるような、位置情報系のサービスの将来を支える、基礎となるユーザー体験ではないかと考えている。

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