安くても中味は大丈夫?
低価格サーバの実物を見る
ここでは低価格サーバの例として、NECと並ぶ定番メーカーである日本ヒューレット・パッカード(以下、HP)の製品を見てみよう。同社は低価格なタワー型サーバとして、インテル製CPU搭載の「HP ProLiant ML110 G5」とAMD製CPU搭載の「HP ProLiant ML115 G5」をそれぞれ税込4万8300円で直販している。また、ラックマウントサーバの「ProLiant DL120 G5」も税込5万2500円である。おそらく3年前くらいのサーバ事情の知識で止まっている管理者は、ラックマウントサーバがこれだけ安価に提供されていることに驚くに違いない。
HP ProLiant ML115 G5は標準でCPUにAthlon 1640B(2.7GHz)、512MBメモリ、160GB HDDを搭載する。もちろん、BTOにも対応しているので、CPUやメモリなどを増やすことも可能だ。CPUパフォーマンスが不足であれば、2万1000円を追加すればデュアルコアのOpteron 1214(2.2GHz)に交換できる。2万1000円高くなっても6万9300円であり、コストパフォーマンスは高い。拡張性も確保されており、BTOオプションによりメモリは8GB、HDDも2TB(500GB×4)の構成が可能だ。
標準モデル版 | BTO例 | |
---|---|---|
CPU | Athlon 1640B (2.7GHz) | クアッドコアOpteron 1352 (2.1GHz、2MB L2) |
メモリ | ECC付きDDR2-SDRAM 512MB | ECC付きDDR2-SDRAM 8GB |
HDD | 3.5インチSATA 160GB | 3.5インチSAS×4(最大1.8TB) |
テープドライブ | なし | Ultrium |
光学ドライブ | SATA DVD-ROM | SATA DVD RW |
ただ、Windows Serverで使う場合、CPUはAthlonで構わないとしても、メモリが512MBでは心細い。そこでメモリを1GBにすると追加料金は1050円、2GBだと6300円がかかる。とはいえ、ECCメモリでこの価格は、PCメーカーの販売価格としては良心的といえるだろう。
もちろん、品質面でも抜かりはない。日本のHPは東京都昭島市に自社工場を持っており、HP ProLiant ML110 G5といった低価格サーバは、ここで製品組み立てや検査を行なった「MAID IN TOKYO」製品だ。1台1台動作検証を行なっているため、信頼性が高い。もちろん、保守サービスも標準で付属しており、パーツ保証と翌日オンサイト保守が1年間ついている。
日本HPは、ML110 G5とML115 G5をそれぞれ1万6800円で販売するキャンペーンを頻繁に行なってきた。今後の予定は不明だが、同様のキャンペーンが展開される可能性はある。またキャンペーンがなくても、標準で4万8300円、Athlon 1640B、2GBメモリ、160GB HDDという構成のサーバが5万4600円で購入できるのは十分にお得だろう。
最近の低価格サーバは、オンボードのRAID対応やSAS HDD搭載のオプションなどもあり、単に安いだけでは片付けられない機能や拡張性を持つ。限られたIT予算の中で次のサーバ選びに悩んでいる管理者の方は、キャンペーンなどをうまく利用し、低価格サーバを狙ってみてはいかがだろうか。
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