インテルは27日、コード名「Nehalem-EX」と呼ばれる開発中のマルチプロセッサー(MP)サーバー向けCPUの概要を公開した。1つのCPUダイ上に8個のCPUコアを集積した、x86系CPU初のオクタ(8)コアCPUとなる。
今回公開された情報は正式な製品発表ではなく、あくまで概要である。ブランド名は従来どおり「Xeon」を継承すると思われるが、製品名やラインナップ、クロック周波数、価格などは発表されていない。
8コア内蔵で16スレッド同時実行
共有3次キャッシュは24MB
Nehalem-EXは、デスクトップパソコン向けのハイエンドクアッドコアCPU「Core i7」や、デュアルプロセッサーサーバー向けCPU「Xeon 5500番台」と同じく、Nehalemアーキテクチャーを元にしたCPUである。Nehalemの特徴である、3層構造のキャッシュメモリー、メモリーコントローラーの内蔵、インターコネクトバス「QPI」の採用、ハイパースレッディング・テクノロジー(HT)やターボ・ブースト・テクノロジー、バーチャライゼーション・テクノロジー(VT)への対応といった特徴は、そのまま継承している。
Nehalem-EXとXeon 5500番台の最大の違いは、ひとつの半導体ダイ上に8個のCPUコアを集積している点にある。8コアに加えてHT対応により、同時に16スレッド分のプログラムを実行可能となっている。また、CPUとチップセット、あるいはCPU同士を結ぶQPIを4本備える。これにより、4ソケットのMPシステムを構築する際に、4個のCPUパッケージそれぞれを直接QPIで接続でき、パフォーマンスを向上させられる。
また、Xeon 5500番台やCore i7が3次キャッシュを8MB内蔵するのに対して、Nehalem-EXは3倍もの24MBの3次キャッシュを内蔵する。製造プロセスは45nmプロセスで、トランジスター数は約23億個にもなる(Core i7は約7億3100万個以上)。
対応メモリーについては、Xeon 5500番台と同じくレジスタードまたはアンレジスタードのDDR3メモリーに対応するとのみ伝えられている。CPUとメモリーの間にバッファを設けることで、1ソケット辺り16枚のDIMM、4ソケットシステムならば最大64枚のDIMMを装着可能としている(Xeon 5500番台は9枚)
Nehalemアーキテクチャーと8コアによる性能向上は非常に大きい。インテルでは既存のMPサーバー向けCPU「Xeon 7400番台」に対して、9倍のメモリーバンド幅で整数演算性能は1.7倍、浮動小数点演算性能は2.2倍、データベースのパフォーマンスでは2.5倍の性能向上を実現できるとしている。
このNehalem-EXを搭載するシステムは、2009年第2四半期にはサーバーメーカー各社から出荷されるとのことだ。
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