4月6日、インテルは最大で10コア(20スレッド)/8ソケットに対応する基幹業務向けプロセッサー「Xeon E7ファミリ」18種、エントリーサーバー/ワークステーション向けプロセッサー「Xeon E3ファミリ」11種類を発表した。
Xeon E7ファミリは、2010年3月末に発表された「Xeon 7500番台」の後継となる、ハイエンドプロセッサー。プロセスルールは45nmから32nmとなり、処理能力が最大40%向上するほか、コア数も増加。
Xeon 7500番台の最上位モデル「Xeon X7560」は2.26GHzで8コア(16スレッド)だったが、今回の最上位モデル「Xeon E7-8870」は、2.4GHzで10コア(20スレッド)となった。8ソケット構成時には、合計で160スレッド(Xeon X7560は合計128スレッド)。サードパーティー製チップセット利用時などは256ソケットまで可能で、この際には合計5120スレッド(同4096スレッド)にもなる。
発売時期 | ローエンド | ミドルレンジ | ハイエンド |
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2009年3月 | Xeon 3500番台 (Nehalem-WS) | Xeon 5500番台 (Nehalem-EP) | - |
2010年3月 | Xeon 3600番台 (Westmere-WS) | Xeon 5600番台 (Westmere-EP) | Xeon 7500番台 (Nehalem-EX) |
2011年4月 | Xeon E3ファミリ (Sandy Bridge-DT) | - | Xeon E7ファミリ (Westmere-EX) |
Xeon E7ファミリのコードネームは「Westmere-EX」で、2010年3月発表「Xeon 5600番台(コードネーム「Westmere-EP」)と同じ世代。Xeon 7500番台が持つ信頼性/可用性/保守性向上の機能に加え、Xeon 5600番台で追加された、
- AES暗号処理をハードウェアで行なう命令セット「AES-NI」
- セキュリティー機能「Intel TXT」
も搭載する。
なお、Xeon 7500番台は4ソケット以上のシステム向けの製品であったが、Xeon E7ファミリは8ソケット用(E7-8800番台)、4ソケット用(E7-4800番台)、2ソケット用(E7-2800番台)が用意される。そのため、動作周波数などのスペックは同様だが、対応ソケット数が異なるモデルが存在する。
一方のXeon E3ファミリは、2011年初頭に発表されたデスクトップ/ノートPC用プロセッサー「Core i(コードネーム「Sandy Bridge」)」ベースの製品。前世代製品に比べ最大30%の性能向上を実現するほか、同様のアプリケーションをデスクトップPC上で稼働した場合に比べ、さらに高い処理速度や信頼性を提供するという。
Xeon E3ファミリでは、マイクロサーバー向け製品として「E3-1260L」と「E3-1220L」を用意する。E3-1260Lは、2.40GHz、4コア(8スレッド)でTDPが45W、E3-1220Lは2.20GHz、2コア(4スレッド)でTDPが20Wとなる。省電力で有名なAtomプロセッサーの最上位モデル「D525」のTDPが13Wであり、Xeonでありながら20Wというのは、かなりの省電力といえる。
製品名 | 周波数 | キャッシュ | コア数/ スレッド数 | Hyper Threading | Turbo Boost | TDP | 価格 |
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Xeon E3-1260L | 2.40GHz | 8MB | 4/8 | 対応 | 対応 | 45W | 2万4050円 |
Xeon E3-1220L | 2.20GHz | 3MB | 2/4 | 20W | 1万5460円 | ||
Atom D525 | 1.80GHz | 1MB | 2/4 | 非対応 | 13W | 63ドル |