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「コンペティタが来た? まったく違う」

オラクルのSaaS基盤が目指す協業への道

2009年04月17日 06時00分更新

文● 吉川大郎/企画報道編集部

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 国内のSaaS普及に、一段と弾みがついた。

 日本オラクル(以下オラクル)が、SaaS基盤提供の本格展開に向けて、パートナーと広く協業することを発表したのだ。

 「Oracle SaaS Platform」(以下OSP)と呼ばれるオラクルのSaaS基盤は、データセンターにも提供される。オラクル自身がアピールするのが、オラクルはデータセンターを持たず、あくまでもSaaSビジネスを推進するパートナーに対して、ミドルウェアとしての機能を提供する立場であるという点だ。

 ASCII.jpでは、経産省が推進するSaaS基盤「J-SaaS」をレポートしてきた。J-SaaSの場合は、SaaSとして提供されるアプリケーションの動作プラットフォームを、物理面/ソフトウェア面まとめて提供するというものだが、OSPの場合は、SaaSのアプリケーションが動作するソフトウェアプラットフォームのみを提供することで、データセンターのような物理的なプラットフォーム事業者への支援と、ソフトウェアベンダーへのプラットフォーム支援を同時に行おうという戦略だ。

 オラクルのアライアンス統括本部 パートナービジネス推進本部 ソリューションビジネス推進部長の遠藤哲氏も「コンペティタが来た? まったく違う」と強調する。

 米オラクルは、オースティンにて2万を超えるサーバーに約4PB(ペタバイト)のストレージを擁する、床面積7600平方mの世界最大級のデータセンターを稼働させている。国内で「オラクルがSaaSを」という話となれば、「すわ日本にも巨大データセンターか?」と連想されるのも無理はない。

 OSPは、主に

  • Orecle Database
  • Oracle Fusion Middleware
  • Oracle Enterprise Manager
  • Oracle VM

を統合したもので、これらがSaaS事業者のアプリ開発や実行、管理を効率化するという。

OSPの構成図(左)。サーバの仮想化やデータプラットフォーム、アプリケーション実行環境、そしてユーザーインターフェイスまでそろっているだけではなく、課金・決済やセキュリティ、運用管理、開発環境も用意されている。そしてこれらトータルソリューションは、オラクル一社が提供するのではなく、データセンター事業者のプラットフォームの上で動作し、オラクルのパートナーが作成したSaaSアプリケーションと一体となって、つまり協業して初めてサービスとして機能する(右 SaaSビジネス基盤全体像)。

 協業することで、複数のデータセンター同士でのアプリケーション連携も可能になるし、他のSaaS基盤との連携も可能で、そうした“連携”こそがOSPの強みになっていると言えよう。さらに言えば、前述したオースティンの実績も、信頼性の担保という意味では存在感が大きい。

 OSPを使った協業によって、シングルサインオンやSOA(Service Oriented Architecture)でのサービス間連携も実現できるし、UIのマッシュアップによって、1つのデータセンターの中で複数のサービスをあたかも1つのサービスのように使うこともできるわけだ。

次ページに続く

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