日本オラクルは、データウェアハウスやOLTP(オンライン トランザクション プロセッシング)向けのデータベースマシン「Sun Oracle Exadata Database Machine Version 2」を発表し、11月11日より受注を開始した。
もう待たせない!最速のデータベースマシンがより高速に
Sun Oracle Exadata Database Machine Version 2(以下、Exadata V2」)は、サンのハードウェアとオラクルのソフトウェアを組み合わせた製品で、具体的な構成は以下の通り。
- ハードウェア
- ・8台のIAサーバー(64CPU、576GBのDRAMを搭載)で構成される「RAC Database Server Grid」
- ・14台のストレージサーバー(SASモデルは100TB、SATAモデルは336TBのディスクと5TBのフラッシュストレージ「Exadata Smart Flash Cache」で構成)で構成される「Exadata Storage Server Grid」
- ・40Gb/秒を誇る「Infiniband Network」によるインターコネクト通信
- ソフトウェア
- ・Oracle Database 11g Release 2
- ・Oracle Exadata Storage Server Software Release 11.2
本製品の最大の特徴は、容量5TBのフラッシュメモリーストレージ「Exadata Smart Flash Cache」(以下、Flash Cache)を、システム全体で計5TB搭載している点だ。Flash CacheはSunのフラッシュメモリー技術で、ディスクストレージのデータを圧縮して格納し、外部からの要求を受け取ると、それらを展開して引き渡す。
圧縮率は10分の1以上(平均圧縮率)、50TB以上のデータを格納する。通常データウェアハウスの処理はI/Oでパワーを消費するが、データを10分の1に圧縮すれば、理論的にはI/Oは10倍になる。日本オラクルによれば、Flash CacheによってランダムI/Oは100万回/秒、クエリスループットは50Gb/秒に達するといい、他社製の大容量データストレージ製品と比べると5倍程度の性能差になるという。
「Version 1は最速のデータベースマシンだったが、Version 2ではさらにパフォーマンスが2~5倍になった」。こう語るのは、オラクル・コーポレーション オラクル・データベースサーバー技術担当バイスプレジデント アンドリュー・メンデルソン氏だ。
スケーラビリティについては、データベースマシンを最大8ラックまで接続可能で、これらはInfiniBandによって接続される。8台以上の場合は、外部のInfiniBandスイッチで接続することになる。ストレージサーバーは、数百台まで拡大可能であり、数ペタバイトのデータベースを実現可能だ。
アンドリュー・メンデルソン氏は、「お客様はコンソリデーション(複数台の統合)に興味を持っている」と語り、Exadata V2はそうしたニーズに理想的なマシンであると語った。たとえば100台のデータベースをコンソリデーションする際には、それぞれのデータベースがお互いに影響を与えないようにリソースマネージメントが必要だが、Exadata V2ではそれが可能というわけだ。
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