住むなら日本の高層ビル、外から見るなら海外のビル
―― 高層ビルのどこに惹かれるんですか? 構造や意匠ですか?
なかやん 構造や中身には興味ないですね。うーん、気づいたら高層ビル好きだったので、分からないです(笑)。ただ言えるのは、高層ビルといっても私が重視しているのは高さではなく階数の多さなんです。そのため、1フロアが低めになる高層マンションのほうが興味を惹かれるんですよ。
オフィスビルだと1フロアが5m程度のものもあります。それで、200mくらいの全高なのに38階くらいしかないと「えー? 40数階くらいいこうよー」と思ってしまうんです。そういう意味で、積み重なっている感に惹かれるのかもしれません。たしかに、外から見て階数がわかる建物のほうが好きですからね。
―― ミルフィーユみたいなのが良いわけですね(笑) では、針のように細いビルとハコ型のビルはどちらが良いですか?
なかやん 針タイプですね。私にとっては実際の高さよりも、高く見えることが重要なんですよ。なので、六本木ヒルズよりもオペラシティのほうが好きなんです。
あとは、単独でポツンと建っているものより、ビル群やマンション群が好きですね。日本なら東京と大阪の街に惹かれます。ただ、地方は地方で「よくこんなところに建てたな」と思うものもありますけどね。
その代表格が山形の「スカイタワー41」です。普段は建設の意図などに思いを馳せることは少ないですが、さすがにどういう経緯で建ててどんな人が住んでいるのか気になりましたね。あれはあれで興味深いです。
―― デザインはどうでしょう。方眼紙的な外観と曲線を多用した個性派では?
なかやん 階数が分かる前提で個性派のほうが好きですね。ただ、デザインに関しては海外のビルのほうが圧倒的に多いんですよ。海外に行ってしまうと、日本の高層ビルのほとんどは地味に見えてくるんです。
一番熱いのは香港ですね。高層ビルがわさーっと建っている雰囲気がたまりません。しかも日本じゃあり得ない組み合わせの色遣いをしているものも多くて、ひとつひとつが個性的で派手なんですよ。ただ、中身や作りはやっぱり日本のほうが上だなと感じることが多いです。住むなら日本、見るなら海外という感じですね。
―― おっしゃるとおり、なかやんさんは高層マンションの高層階に移り住んでいますね。下から高層ビルを眺めるのと、上から周囲の景色を見回すのは別の魅力かと思いますが、どちらが先だったんですか?
なかやん 同時ですね。両方とも物心ついた頃からです。子供の頃から高いところに上るのが好きだったんですよ。ただ、山や崖などの自然の高さには全然興味がないんですよ。
周囲に大自然が広がっていても、あまりピンとこないといいますか。高層ビルのある街を見るために山に登ることはありますけど、それはやはりビル目的ですからね。やっぱり都会の景色が好きです。
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