ECS製“i915P”マザーボード「915P-A」 | PCI Express×16とAGPの両方を搭載するという特異な製品だ |
ECS製“i915P”マザーボード「915P-A」のサンプルがTSUKUMO eX.に入荷した。最大の特徴は、ビデオカード用スロットとしてPCI Express×16とAGPの両方を搭載していること。“i915P”は本来AGPをサポートしておらず、またビデオカード用スロットを2種類(PCIは除いて)装備するマザーという意味でも極めて特異。いかにも同社らしい製品と言えよう。
変換ブリッジチップらしきものは見当たらず、さらにPCI Express×16とAGPは排他ではないという | 7月3日(土)に“Linux Cafe di PRONTO秋葉原店”で開催される展示会でデモを検討中とのこと |
PCI Express×16スロットは通常どおり拡張スロット群の1番上となっており、AGPスロットは上から4番目、2本ずつのPCI Express×1スロットとPCIスロットの間に挟まれたこれまた奇妙な位置。変換ブリッジチップらしきものは見当たらない。ECSのウェブサイトによると、チップセットがサポートしないAGPスロットを同社独自の技術により用意したとのことで、“AGP Express”と銘打たれている。本当の意味でのAGPスロットとはやや異なる仕様のようで、カードやソフトウェアによっては本来のAGPよりパフォーマンスが低下することが注意点として挙げられており、特に低性能のGPUではそれが顕著になるとのこと。参考値として、“i865”マザーの場合に対しRADEON 9800XTでは5パーセントのパフォーマンス低下、RADEON 7000では48パーセント低下とされている。
さらに驚くべきことに、代理店のマスタードシードによるとPCI Express×16スロットとAGPスロットは排他ではなく、同時使用によるマルチディスプレイが可能とのこと。国内での検証作業はまだ行われておらず詳細は不明であるものの、7月3日(土)に“Linux Cafe di PRONTO秋葉原店”で開催されるというECSのマザーボード展示会での動作デモを検討中とのこと。
目立たないところではあるが、DDR2 SDRAMとDDR SDRAMも両対応 | 8チャンネルオーディオとギガビットイーサネットがオンボード |
その他のスペックは、チップセットは“i915P”+“ICH6”、IDE×1、Serial ATA×4、拡張スロットはPCI Express×16、PCI Express×1が2、PCIが2、AGP(“AGP Express”)。PCI Express×16/AGP両対応のインパクトが大きく目立たないところではあるが、DDR2 SDRAMとDDR SDRAMも両対応となっておりDIMMスロットはそれぞれ2本ずつ。8チャンネルオーディオとRealtek製“RTL8110S”チップによるギガビットイーサネットがオンボードとなっているが、IEEE1394やSerial ATA RAIDはなしと機能の上ではどちらかと言えばシンプル。発売は来週以降予定となっており、TSUKUMO eX.での予価は1万6600円。