11月10~14日の5日間に渡り、米国San Franciscoで“OracleWorld San Francisco 2002”が開催される。OracleWorldは毎年1回開催されるOracle主催の中心的なイベントであり、Oracleから直接発信されるメッセージを聞くことができる重要な機会となっているものだ。例年は日本でも開催されているのだが、今年は日本での開催予定がないため、OracleユーザーやOracleに関心を持つ人にとっては、米国での開催とは言え、見逃せないイベントだろう。当サイトでもイベントの模様を順次お伝えしていく予定だが、まずは現時点で予想される事柄をいくつかご紹介しておきたい。
まず、データベース本体に関しては、現行バージョンである『Oracle9i』の完成型と言われる『Oracle9i Release 2』がリリースされたばかりというタイミングであり、次期バージョンに関して言及される可能性は低い。ただし、『Oracle9i R2』の機能に関して詳しく紹介することは考えられる。
データベース以外では、『Collaboration Suite』が大きく取り上げられることになると言われている。日本ではグループウェアと総称されるソフトウェアで、『Lotus Notes』や『Microsoft Exchange』が代表的な製品である。オラクルは米国でシェアの高い『MS Exchange』に対抗することを狙っており、オフィスでの複数人による共同作業やコミュニケーションを支援する機能をまとめて提供する。さまざまなコミュニケーション機能を実装する一方で、セキュリティ問題がたびたび生じている『MS Exchange』よりも安全でしかも安価であることを前面に打ち出して来る模様だ。『Collaboration Suite』の日本での発表はまだ行なわれておらず、“OracleWorld”閉幕後になりそうなので、先取り情報として注目に値するものとなりそうだ。
また、Web Serviceとの関連で注目度がさらに高まっているアプリケーションサーバの分野は、メーカー間の競争が特に激しく行なわれている激戦場でもある。ここに投入される『Oracle9i Application Server』に関しても主要テーマとして取り上げられるはずだ。
全般的な部分では、基調講演の顔ぶれが当初の予定から変更されている。Sun MicrosystemsのCEO、Scott McNealy氏がJavaOneのホスト役でお馴染みのJohn Gage氏に変更され、さらにDellのCEO、Michael Dell氏が新たに加わっている。このほかの基調講演のゲストは、Paul Otellini氏(Intel)、Michael C.Ruettgers(EMC)、Carly Fiorina氏(Hewlett-Packard)となっている。IntelとDellが参加することで、IAサーバ+Linuxというプラットフォームがこれまで以上に存在感を高めてくることになりそうだ。なお、OracleのCEOであるLawrence J.Ellison氏は滞在中のニュージーランドからのライブで基調講演を行なう予定であり、直接会場に姿を見せることはないことになっているのは少々残念だ。
このほか、実際にどのような情報が飛び出すかはやはりその場になってみないと分からないが、今後1年間のオラクルの動向を判断する上で重要な手がかりとなるであろうことは間違いないだろう。この続きは、現場からのレポートにご期待頂きたい。
“Oracle World San Francisco 2002”開催概要
- 開催日時
- 11月10日~14日
- 会場
- 米サンフランシスコ Moscone Center
- キーノートスピーチ
- Mark Jarvis(Oracle上級副社長)、Michael Dell(Dell Computer CEO)、Carly Fiorina(HP CEO)、Paul Otellini(Intel COO) ほか
- 出展企業
- Oracle、HP、IBMほか、全世界220企業