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【OracleWorld 2002 Vol.1】“OracleWorld 2002”開幕 ~ 静かに始まったオラクル最大のイベント

2002年11月12日 15時16分更新

文● 渡邉 利和(toshi-w@tt.rim.or.jp)

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本日(米国時間で11月11日)から、OracleWorld 2002 Conferenceが始まった。初日の今日は、朝9:00からのOpening Sessionでスタートした。なお、事前登録者数は23000名と発表されている。

Opening Session

米Oracle・Chief Financial OfficerのJeff Henley氏
Opening SessionのスピーカーはOracleのChief Financial OfficerであるJeff Henley氏である。氏の話のテーマは、やはりOracleの財務担当者らしく、Oracleが企業として健全な状態にあること、そして顧客にとっても将来の不安なく安心してOracle製品の導入ができる状態であることをアピールすることにあった。つまり、顧客企業にとってもOracle製品は「安全な選択肢」であるというわけだ。



Senior Vice President and Marketing OfficerのMark Jarvis氏
Opening Sessionの司会進行役としてはSenior Vice President and Marketing OfficerのMark Jarvis氏が登場し、今回のOracleWorldの主要テーマを簡潔に紹介した。Oracle製品を利用すればROI(Return of Investment:投資対効果)の向上、TCO(Total Cost of Ownership)の削減、生産性の向上といった現在多くの企業が直面する問題を解決することができることをユーモラスな語り口でアピールした後、“Unbreakable LINUX”と“CollaborationSuite”の2つの“キーワード”を紹介した。

Unbreakable LINUXは、『Oracle9i』で大々的なアピールが行なわれた“Unbreakable”というキーワードがLinuxに関しても適用される、つまり、『Oracle9i』のプラットフォームとしてIAサーバ+Linuxが急速な成長を遂げていることを背景に、“高い信頼性を誇るOracle製品をLinuxサーバ上で運用すれば、エンタープライズ向けの高信頼性システムをより安価に利用できる”ということを意味している。



IBMのメインフレーム、UNIXサーバとDell Linuxサーバのコスト比較IAサーバでの、Windows+SQL ServerとLinux+Oracleのコスト比較

また、Collaboration Suiteについては、本日米国で『Oracle Collaboration Suite Release 2』が発表されている。この製品は『Microsoft Exchange』を特に意識しており、電子メールやカレンダーサービス、ボイスメールといった企業内で利用されるさまざまなコミュニケーション機能を一括して提供するものだ。日本国内では未発表であり、米国版と実装される機能が異なる可能性があるが、まもなく日本語版の正式発表も行なわれる予定だ。今回のOracleWorldでは、Collaboration Suiteが主要テーマとなっているので、今後折に触れてより詳細な情報が出てくることになると思われる。

Collaboration Suiteのプレゼン資料のひとコマ。MS Exchanegeとのコスト比較において、OracleのTCO面での優秀さをアピールする
Mark Jarvis氏のプレゼンテーションでは、MS Exchangeと比較した場合のコストと信頼性/システム規模の違いがアピールされた。たとえば、1ユーザあたりのコスト比較では、ソフトウェア自体の価格が半分以下、必要とするハードウェアコストが1/13以下、管理コストは1/9以下、移行コストは1/3以下で、トータルでMS Exchangeの1/4以下のコストでコラボレーションシステムが利用可能だという。また、規模の問題に関しては、扱えるファイル数が40倍以上、電子メール数が約16倍、ボイスメールとワイヤレスのサポートはExchangeにはないことがアピールされ、よりスケーラブルで信頼性の高い製品であることが強調された。メッセージやファイル交換はOracle9iデータベースやその上に構築されたファイルシステム(iFS)が利用されるため、Oracleデータベースで培われた拡張性や信頼性、管理性をコラボレーションシステムにも活用できることになる。



Sponsor Keynote:Intel

Opening Sessionに続いて、スポンサーキーノートとして、IntelのPresident and COO、Paul Otellini氏が登場した。IAサーバ上でのLinuxが成長していることもあり、Intelの存在感がOracleユーザーにとっても大きなものとなっていることを受け、今後とも企業ユーザーからの課題に応え、より安価で高性能なシステムを開発していく、というのが大まかな趣旨である。

IntelのPresident and COO、Paul Otellini

特にエンタープライズユーザーに向けては、

  • Best price / performance
  • Choice
  • Scalability & Reliability
  • Interoperable Software Architecture

の4点がアピールされたが、Intelの主張としては従来から特に変わった点はない。なお、TPC-Cベンチマークでは“Itanium2サーバ+red hat Linux+Oracle”という環境で最高記録をマークしたことなども紹介された。

Intelキーノートに登場したAmazon.comのDirector of Database Services、Matt Swann氏
 このほか、ユーザー事例としてAmazon.comが取り上げられた。初期のUNIXマシン中心のシステムからIntelサーバを中心としたシステムに移行しつつあり、この課程でIT投資の総額が大きく削減されるとともにトランザクションあたりのコストも下がり、一方でアクセス数や売り上げは伸びていることが明らかにされ、コストパフォーマンスでIntelが優秀な成果を上げていることの例証となった。



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