【OracleWorld 2002 Vol.4】2日目午前のキーノートスピーチ ~ EMC Excecutive Chairman・Michael C. Ruettgers氏
2002年11月13日 11時18分更新
IT産業の展望
“Global Replay”とは日本語にしにくい言葉だが、意味としては「さまざまな環境下で何が起こったのかを迅速かつ容易に再構築できるようにすること」だとされている。現在部分的に実現されているものとしては、クレジットカード取引、ビデオレンタルの履歴、株取引の履歴などが挙げられている。こうした部分的な情報をより広く集め、統合することで、こうした情報からより多くの価値を引き出せるようにする、ということだろう。
“Global Replay”を解説するプレゼンテーション資料のひとコマ。環境への即時対応などを挙げると同時に、現在このことが非常に重要であることを述べている |
情報が断片的であったり、必要とされる時点で確実に利用可能となっていないと価値がないという例として、氏はアフガニスタンで展開された軍事行動を挙げ、ラディンの所在を突き止めたという情報があったにもかかわらず、司令部に適切なタイミングで伝達されなかったために攻撃行動が取れず、みすみす取り逃がしたという話を紹介した。これは極端な例ではあるが、一般的なビジネスの場においても、必要なときに必要とされる情報を確実に得られるかどうかは成否を左右する重要な要因となることは間違いなく、IT産業は今後こうした需要に応えていくべく取り組むべきだということだ。
“Global Replay”の実現にはソフトによる自動化が重要としている |
EMCでは、ストレージ分野を中心にこうした高度な自動化の推進や信頼性確保のための機能を実現しつつあることも合わせて紹介されている。
安定した企業
“EMCとOracleの協力体制に関する資料 |
華々しさには少々欠けるが、市場の実態を踏まえた現実的なメッセージ発信が目立つ今回のOracleWorldらしいキーノートスピーチであった。