【OracleWorld 2002 Vol.9】最終日朝のキーノート ~ Hewlett-Packard CEO・Carly Fiorina氏
2002年11月15日 00時00分更新
OracleWorldの4日間の会期も、遂に最終日を迎えた。朝はまずHewlett-PackardのCEO、Carly Fiorina氏のキーノートスピーチが行なわれた。
Hewlett-PackardのCEO、Carly Fiorina氏 |
IT業界の現状
HPに女性CEO就任というニュースが話題を集めたのはずいぶん前のことのように思えるが、Fiorina氏の人気は今だ衰えていない感じで、会場はほぼ満席に近い状況になっていた。こうしたイベントの最終日にはキーノートの来場者も目立って減ってしまうのが通例なので、この混雑ぶりには少々驚かされた。
Fiorina氏がまず語ったのは、現在の不況といわれるIT業界の現状分析と課題である。まず、現在の状況は単なる景気のサイクルのせいなどではなく、IT業界が顧客の要求に応えていないことに原因があるとの見解を示した。これは、顧客の要件が変化した結果でもある。現在の顧客が求めているのはより高速なHotなBox(コンピュータ)やキラーアプリケーションなどではなく、高いROI(投資利益率)や低いTCOといった「価値(Value)」であるという。このため、IT業界は顧客のIT投資を顧客自身のビジネスニーズに適合させることを考えなくてはならない。そこで、複雑性を軽減し、より安価に適切なソリューションを提供する必要があるわけだ。
HPとOracle
HPとOracleの協力関係の歴史は長い。このキーノートスピーチでは、20年に渡る両社の協力関係にも話がおよんだ |
さらに、HPの今後の取り組みとして、コストを削減するためにモジュール方式の標準コンポーネントを利用することで低価格で高性能の製品を実現していき、テクノロジそのものよりもテクノロジからのリターンを重視する顧客の要望に応えていく、とする。
話の内容には残念ながらあまり新鮮みは感じられなかったが、今回のOracleWorld全体を貫いている「コスト削減」や「顧客が求める価値を提供する」といった主要テーマには見事なまでに合致したスピーチであった。