初のPC3200対応チップセット“KT400”
「KT4 Ultra」 |
KT4 Ultraは、史上はじめてPC3200(DDR400) DDR SDRAMをチップセットレベルでサポートする“Apollo KT400”を搭載する製品だ。KT4 UltraもPromise製のSerial ATAコントローラを搭載している。このほかKT400の特徴としては、North BridgeとSouth Bridge間を結ぶバス“V-Link”が従来の倍となる533MB/秒の帯域幅を持ったことと、AGP 8xのサポートが主立ったところだ。ただし、エム・エス・アイ・コンピュータ・ジャパンによると、KT400は現在、肝心の“533MB/秒”帯域版V-LinkとAGP 8xのサポートに問題を抱えており、そのバグフィクスのため実際の発売は9月上旬にまでズレ込みそう。同社ではこのため、メモリ周りの性能を改善した“KT333CE”にVT8235を組み合わせた製品を7月中に投入予定だとしている。
North Bridge“KT400” | 外部インターフェイス |
GeForce4 MXコア搭載でPC3200サポート?詳細未だ不明のCrush18D
「N18 Ultra」 |
“nForce 620”シリーズがキャンセルされたため、現行“nForce 420”シリーズからしばらく振りのリリースとなり、“nForce 820”という製品名が与えられるのではないかと見られる“Crush18D”搭載製品が「N18 Ultra」。現在のところCrush18Dについての詳細は明らかになっていないが、複数の情報ソースによるとGeForce4 MX相当のビデオコアを搭載するものであるようだ。なお、これまでCrush18がサポートするメモリはPC2700(DDR333)であるとされてきたが、ボード裏面のシールにはNvidiaのロゴとともに“DDR400”の文字があり、ひょっとするとTwinBankアーキテクチャによるメモリ帯域幅は伝えられる5.33GB/秒を上回るかもしれない。
この他も不明な点が多いチップセットではあるのだが、Crush18D IGP(Integrated Graphics Processor)と組み合わされるMCP(Media and Communications Processor)には“MCP2H”という型番が刻まれている。エム・エス・アイ・コンピュータ・ジャパンからショップへ提供された資料によれば、従来のMCPにUSB2.0コントローラを新たに加えたものであるもよう。また同社によれば「8月末から9月には店頭へ並ぶのではないか」とのこと。
IGP“Crush18D”。チップ上の刻印一部が削られている | MCP“MCP2H”。こちらもIGP同様、一部が削られている | “DDR400”をうたうシール |
今回の展示品中、もっとも早く登場予定のSiS648マザー
メモリサポート次第では少し遅れる可能性も
「648 Max」 |
現行製品「645E Max2-LRU」の後継にあたり、SiS648/SiS963と、North&South Bridgeをともに新チップとして登場してきたのが「648 Max」。両チップの換装によって、North&South Bridgeを結ぶバス“MuTIOL”は従来の倍となる1GB/秒の帯域幅を持ち、さらにAGP 8xがサポートされている。“SiS645DX”からサポートされた、FSB 133MHz(Quad Pumped 533MHz)版Pentium 4への対応はもちろん今回も健在だ。なお、当初SiS648はPC3200(DDR400) DDR SDRAMをサポートするとされていたが、今回登場したSiS648がサポートするのがPC2700までとなる点には注意したい。PC3200のサポートはSiS648後継となる“SiS648DX”で行われる予定で、このため、「1カ月ほど投入時期のズレる、PC3200対応のSiS648DXを待つ可能性もある。その場合、648 Maxの投入は1カ月遅れることになる」(エム・エス・アイ・コンピュータ・ジャパン)という。
North Bridge“SiS648” | South Bridge“SiS963” |
i850E+ICH4+32bit RIMM対応マザーは8月下旬登場予定
「850E Max」 |
850E Maxは“i850E”+“ICH4”の組み合わせで、32bit RIMMをサポートするPentium 4対応マザーボード。16bit RIMMではその仕様上スロットへは2枚単位での増設が必要だったのに対し、32bit RIMMでは1枚単位の増設が可能となっているが、一方で対応メモリは現在のところ存在していない。アキバショップ関係者の間では明日21日にも対応メモリが登場すると言われているが、一方でメモリ業界関係者は「現在、32bit RIMM版PC1066 RDRAMの歩留まりは20%。とても市場に出回る状況ではない」としており、8月下旬が予定される発売に向けて、メモリ周りの動向が注目される製品と言える。
MCHの横に2本だけ用意される32bit RIMMスロット | i850EマザーボードではじめてSerial ATAコントローラを搭載する |
“Placer”か?! ナゾのデュアルXeonマザーボードも展示中
“MS-9129” |
製品名が決定しておらず、“MS-9129”という型番で展示されているのはIntel製、ナゾのチップセット搭載マザーボード。Socket604を2基用意することから、Xeon用だということは想像がつくものの、チップセットの撮影が許可されていないため、あとは実際に店頭で確認するしかない。店頭に掲げられている「PC2100 DDR SDRAMの2chやAGP 8xをサポートするのでは?」という旨のポップが正しいとすると、これは未発表のXeon用チップセット“Placer”を搭載するマザーボードと判断できそうだが…?
2ch動作するとされるDDR SDRAM専用DIMMスロット |
向こう2四半期に登場予定となっている新製品がこれほど一気に展示された例は極めてまれで、その点で高い注目を集めそう。気になる製品がある人は、まず店頭で確認してみるといい
【取材協力】