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システム障害の教訓

2002年05月24日 14時53分更新

文● テンアートニ 佐藤栄一

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LifeKeeper for Linux

「失敗に学べ」-自己啓発などで、よくいわれるフレーズです。コンピュータ業界では「他社のシステム障害に学べ」ということになるのでしょうか。興味本位も手伝って、みずほ銀行のシステム障害は、広く世間でニュースとなりました。詳しい事情は別のメディアに譲るとして、この件からなにか教訓として得られることがあるでしょうか。

企業には、多くのコンピュータシステムが導入されています。たとえば、企業規模に関係なくほとんどの会社が、グループウエアを社内のコミュニケーションツールとして活用しています。あまり重要視されませんが、グループウエアが停止すると業務が進まない会社も多いと思います。実際、スケジュール情報が消滅しただけでも、途方に暮れてしまいます。

いっぽう、顧客とのコミュニケーションもWebサーバに依存する度合いが高くなっています。カタログの提供から在庫の確認まで、多くの情報を提供しています。社員にかわってWebサーバが、24時間365日、顧客からの問い合わせに応じるのです。さらに、見積もり書の発行や注文受け付けのように、ビジネスに直結する処理を行なっている場合もあります。もしWebサーバが停止したらどうなるでしょうか。Webサーバの完成度が高いほど、その影響が大きくなります。停止している時間に比例して、ビジネスチャンスと信用が失われてゆくのです。

このように、企業には、なにげなく使用しているシステムから顧客に対面するシステムまで、幅広いシステムが存在します。これらのシステムには、どのような障害対策が施してありますか。多くの方は、「データのバックアップをとっている」とおっしゃるでしょう。しかしこれは、暗にデータの保全です。現在のディスク容量を考えると、バックアップからシステムを再現するには、数時間以上かかるでしょう。もちろん、ハードウエアが壊れているのであれば、直さなければなりません。それらを考えると、最初から予備のシステムを設けるのが現実的です。

そこで注目されるのが、HA(High Availability)クラスタリングシステムです。障害発生時には、フェイルオーバーすることでシステムの運用を継続できます。障害が発生したマシンは、ゆっくりとメンテナンスすることが可能です。ハードウエアの価格が大幅に低下しているので、システムを複数台用意することがそれほど負担にならなくなっています。

テンアートニでは、多くの実績を持つHAクラスタリングシステム『LifeKeeper』(米SteelEye Technology)をお勧めしています。『LifeKeeper』は、PCレベルのハードウェアクオリティでも「稼働率99.99%」を実現します。最も基本的な「1:1構成」から、大規模システム向けの「1:n構成」、「カスケーディング構成」など、柔軟な構成が可能です。詳しいことは、テンアートニのWebサイトをご覧ください。

多くの企業で、不景気の影響からシステムへの投資が大きく制限されています。障害を考えなければ、最小限のコストでシステムを運用することもできます。しかし、一度システムが障害によって停止してしまうと、大きなコストを支払うことになります。みずほ銀行の例でも見られるように「システムは回復できますが、失った信用と不信感はすぐには回復できない」という教訓を多くの企業で生かせるでしょうか。

「LinuxWorld Expo/Tokyo 2002」では、クラスタリングソリューションに関するKeynoteセッションが予定されています。ぜひともご来場ください。



  • 「Linux市場実態と今後注目されるLinuxによるディザスタリカバリー紹介」K-4 5月29日(水) 17時~18時
  • (株)大塚商会マーケティング本部 テクニカル販売促進部 部長 後藤和彦氏
  • 米SteelEye Technology Founder & VP of Marketing, Business Development Jim Fitzgerald氏

また、『LifeKeeper』を「LinuxWorld Expo/Tokyo 2002」の大塚商会ブースなどで出展いたします。ご来場の際は、ぜひご覧ください。

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